Excelで横や縦に長い表の場合、アクティブセルのある行全体や列全体に塗りつぶしを設定すると、見やすくなることがあります。行番号、列番号を見間違えることがなくミスの軽減にもつながります。条件付き書式を使って設定する方法です。
Excelで横に長い表を操作する場合、[ウィンドウ枠の固定]を使って列を固定して見やすくすることもできますが、それでも似たような数字が並んでいると見間違えやすいですね。
アクティブセルのある行に色を付けて見やすくできないかなと検索すると、たくさんヒットしました。その中でも一番分かりやすく設定しやすいと思ったのが、以下のページで解説されているものでした。このページで解説されているとおりに設定して、とても便利になりました。
(人-)謝謝 !
アクティブセルのある行・列を目立たせる:Excel エクセルの使い方-イベントプロシージャ/VBA
条件付き書式の設定
今回、この設定方法を図説して記録しておきます。
まず、条件付き書式の設定をします。
設定したい範囲を選択します。
参考巨大な表の場合、表内の任意のセルを選択して、キーボードから[Ctrl]+[*](テンキー)を押すと便利です。テンキーがない場合は、[Ctrl]+[Shift]+[*]です。アクティブセル領域を選択するショートカットキーです。
[ホーム]タブの[スタイル]グループにある[条件付き書式]をクリックして、[新しいルール]をクリックします。
[新しい書式ルール]ダイアログボックスが表示されたら、[数式を使用して、書式設定するセルを決定]を選択して、[次の数式を満たす場合に値を書式設定]のテキストボックスに以下のように入力します。
=CELL("ROW")=ROW()
[書式]ボタンをクリックして、[塗りつぶし]タブから任意の色を選択します。
[OK]ボタンをクリックして閉じます。
CELL関数について
CELL関数は、セルの書式、位置、または内容に関する情報を返します。
CELL(検査の種類,[対象範囲])
引数"ROW"は、対象範囲の左上隅にあるセルの行番号を返します。
CELL 関数 - Office サポート(Microsoft)
ROW関数について
ROW関数は、引数として指定された配列の行番号を返します。
ROW([範囲])
範囲を省略すると、ROW関数が入力されている行番号を返します。
ROW 関数 - Office サポート(Microsoft)
参考以下の記事では、ROW関数を使って、途中の行を削除しても常に連番を表示する方法を解説しています。
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[ROW関数]で行番号を使って常に連番を表示
関数を使って常に連番が並ぶようにすることができます。 行を削除しても連番を維持することができるので、番号を振り直す必要がありません。 サンプ ...
VBEを起動してコード貼り付け
[開発]タブを表示している場合は、[開発]タブから[Visual Basic]をクリックします。
[開発]タブを表示していない場合は、開発タブの表示を参照して[開発]タブを表示させるか、以下の方法でVBEを起動させてください。
シート見出しで右クリックします。
メニューの中から[コードの表示]をクリックします。
[開発]タブを表示している場合でも、同じ操作で表示させることができます。
(下の画像はExcel2016ですが、他のバージョンでも操作できます。)
VBEの左側にある[ThisWorkbook]をダブルクリックします。
以下のコードを貼り付けます。
Private Sub Workbook_SheetSelectionChange(ByVal Sh As Object, ByVal Target As Range)
Application.ScreenUpdating = true
End Sub
VBEウィンドウは右上の[閉じる]ボタンで閉じます。
これで、アクティブセルの行が色付きになります。
指定したシートのみで動作させたい時
[ThisWorkbook]にコードを記述すると、ブック内で上記の条件付き書式を設定したすべてのシートで有効になります。
もし、それを避けたいのであれば、指定のシートのイベントプロシージャ[Worksheet_SelectionChange]に下のコードを貼り付けてください。
Private Sub Worksheet_SelectionChange(ByVal Target As Range)
Application.ScreenUpdating = True
End Sub
以下は、[Sheet1]のみに動作させたい場合ですね。
保存するときは、[Excelマクロ有効ブック]として保存してください。
拡張子は[.xlsm]となります。
参考[名前を付けて保存]ダイアログボックスを表示するショートカットキーは、[F12]キーです。覚えておくと便利ですね。
アクティブセルの行と列を色付きにしたい場合
また、アクティブセルのある列も色付きにしたいのであれば、条件付き書式の数式を下のように編集します。
条件付き書式を編集する場合は、[ホーム]タブの[スタイル]グループにある[条件付き書式]をクリックして、[ルールの管理]をクリックします。
そして、数式を設定したルールを選択して[ルールの編集]をクリックします。
[書式ルールの編集]ダイアログボックスが表示されますので、数式を以下のように書き換えます。
=OR(CELL("ROW")=ROW(), CELL("COL")=COLUMN())
CELL("COL")は、対象範囲の左上隅にある列番号を返します。
COLUMN()は、COLUMN関数が入力されているセルの列番号が返されます。
COLUMN 関数 - Office サポート(Microsoft)
これで、アクティブセルの行と列が色付きになります。
条件付き書式のルールの削除(ルールのクリア)
条件付き書式のルールを削除する方法です。
[ホーム]タブの[スタイル]グループにある[条件付き書式]をクリックして、[ルールの管理]をクリックします。
そして、削除したいルールを選択して[ルールの削除]をクリックします。
または、[ホーム]タブの[スタイル]グループにある[条件付き書式]をクリックして、[ルールのクリア]をポイントして表示されるサブメニューの[選択したセルからルールをクリア]や[シート全体からルールをクリア]などを選択してもいいです。
目的に合った方法で削除してください。
参考コードを削除する場合は、コードを入力したThisWorkBook、またはシートモジュールを表示して、入力したコードを全て削除してください。
関連以下は、条件付き書式に関するページです。
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