1つのセルの中をどうしても2行にしたい、セル内で改行したい時ってありますね。その場合の方法です。
また、改行を解除する方法も合わせて解説します。
この記事の目次
[Alt]キー +[Enter]キーで改行
セル内改行をしたいセルをクリックします。
そして、セルの中でダブルクリックします。または、[F2]キーを押します。セルの中にカーソルが表示されます。
改行したい位置にカーソルを移動します。
[Alt]キーを押したまま[Enter]キーを押すと改行することができます。
[Alt]キーは、キーボードの右側にもあるタイプのものもあります。
参考[Alt]+[Enter]で改行すると、[セルの書式設定]ダイアログボックスの[配置]タブにある[折り返して全体を表示する]のチェックボックスが自動的にオンになります。
改行を解除したい場合は、[セルの書式設定]ダイアログボックスの[配置]タブにある[折り返して全体を表示する]のチェックボックスをオフにします。
セル内改行の活用例
1つのセル内に長い文字列を入力しなければならない場合に、文の区切りで改行することもあると思います。
また、表の左上のセルに斜線を引いて、文字を配置したい場合も改行すると上手く表示できます。
(画像はExcel2010)
グラフの長い項目名を改行したい場合も便利です。
参考罫線の設定については、以下の記事で解説しています。
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以下の記事でもセル内改行を紹介しています。また、セルの書式設定のユーザー定義で改行する方法も解説しています。
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[セルの書式設定]ダイアログボックスから設定と解除
書式設定から変更することもできます。
目的のセルをクリックします。メニューバーの[書式]から[セル]をクリックします。
参考[セルの書式設定]ダイアログボックスを表示するショートカットキーは、[Ctrl]+[1]です。ただし、テンキーの[1]では動作しません。
[セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されます。
[配置]タブをクリックします。
[文字の制御]から[折り返して全体を表示する]にチェックを入れて、[OK]ボタンをクリックします。
できましたね。
ただし、この場合は折り返す位置を指定できません。
以下の画像では、ちょうどいい位置で折り返しができていますが、目的の位置で改行できていない場合は再度調整が必要になります。
改行の解除(縮小して全体を表示するには)
[セルの書式設定]ダイアログボックスで[折り返して全体を表示する]のチェックボックスをオフにすると、改行は解除されます。
列幅を変えずにセル内におさめたいときは、[セルの書式設定]ダイアログボックスの[縮小して全体を表示する]にチェックを入れます。
自動的にフォントサイズが縮小され、セル内に収まるように表示されます。
参考Excel2010の[セルの書式設定]ダイアログボックスです。同じく[配置]タブに設定項目があります。
Excel2007以降はリボンに[折り返して全体を表示する]ボタン
Excel2007では、[ホーム]タブの[配置]グループに[折り返して全体を表示する]ボタンがあります。
折り返して全体を表示する
セルの内容を折り返して複数行にし、セルの全内容を表示します。
[セルの書式設定]ダイアログボックスを表示しなくても設定できるようになっています。
ただし、これも位置を指定できるわけではありません。
位置を指定して改行したい場合は、[Alt]+[Enter]が効率的です。
ただ、改行を解除する場合は、このボタンをクリックするだけなので簡単ですね。
以下は、Excel2019(バージョン2111)の[折り返して全体を表示する]のボタンです。アイコンが少し変わってますね。Excel2016から変わったようです。
別々のセルの値を改行して連結するには
2つのセルの値を改行して連結したい場合の方法です。
CHAR関数を使用します。Excel2010以降で使用できます。
まず、数式を入力するセルは[ホーム]タブの[折り返して全体を表示する]をオンにしておきます。画像は、Excel2010です。
セルとセルを連結して表示するには、[&]を使用しますが、改行して連結する場合は、[CHAR(10)]を使用します。
セル[A1]とセル[B1]を改行して連結する場合は、以下の数式になります。
=A1&CHAR(10)&B1
連結するセルが多い場合は、TEXTJOIN関数を使用すると効率的です。TEXTJOIN関数は、Excel2019以上で使用できます。
参考CHAR関数については、以下の記事でも解説しています。
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ワークシートに[A、B、C・・・]とアルファベット順に入力したいと思っても、オートフィルでは入力できません。 かといって、1つのセルに1文字 ...
また、セルとセルを連結する方法については、いくつかの方法があります。
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CLEAN関数で改行を解除
セル内改行は、関数を使用して解除することもできます。
関数なので、別のセルへ表示することになりますが、知っておくと役立ちます。
CLEAN関数は、印刷できない文字を文字列から削除する関数です。
以下の状態の時に[Tab]キーを押すと、関数を入力できます。画像は、Excel2010です。
以下のようになります。
CLEAN関数の引数ダイアログボックスです。
CLEAN 関数 - Microsoft サポート(Microsoft)
SUBSTITUTE関数で改行を解除
SUBSTITUTE関数を使用すると、改行コード(CHAR(10)、CHAR(13))を空文字に置換できます。
CLEAN関数で改行を解除できない場合は、以下の数式で解除できると思います。
=SUBSTITUTE(B2, CHAR(13), "")
SUBSTITUTE関数は、検索した文字列を別の文字列に置換します。
SUBSTITUTE関数の引数ダイアログボックスです。
SUBSTITUTE 関数 - Microsoft サポート(Microsoft)
参考セル内改行をまとめて削除するには、置換作業で行うこともできます。
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セル内改行をスラッシュ[/]に一括置換(空白に置換で改行解除)
Excelでは、セル内で改行したい場合は、キーボードから[Alt]キーと[Enter]キーを押します。 下のように1つのセル内で改行すること ...
また、セル内改行のセルの文字を別のセルへ分割する場合は、フラッシュフィルを使うと便利です。
フラッシュフィルは、Excel2013以降の機能です。
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フラッシュフィル(文字列の結合や抜き出しをワンクリックで)
フラッシュフィルとは、Excelが入力されたデータから規則性を自動的に認識して実行してくれる機能です。Excel2013の新機能です。 これ ...
セル内改行のデータは、Power Queryで分割することもできます。
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Power Queryで区切り記号で区切られたデータを別々のセルへ表示
1つのセルに複数のデータが入力されている場合は、それぞれのデータを分割して表示しないとデータベースにはなりません。 Power Queryの ...
値の貼り付けで改行を解除
改行されたセルをコピーして、値のみの貼り付けをしても解除できます。
ただし、セルに[折り返して全体を表示する]の設定がないセルです。既定ではオフです。
改行されたセルを解除しないまま、別のセルへ貼り付けても解除できるということです。
貼り付けオプションについては、以下の記事で解説しています。
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貼り付けオプションのコマンドはコピーしたデータによって異なる
貼り付けオプションのアイコンにマウスをポイントすると(合わせると)、ポップヒントにコマンド名が表示されます。 ポイントするだけで、貼り付けし ...
値の貼り付けをキーボードから操作
キーボードから操作する場合は、[Ctrl]+[C]でコピーして、
[アプリケーション]→[V]で[値]の貼り付けを実行します。
[アプリケーション]キーがない場合は、[Shift]+[F10]でショートカットメニューを表示できます。
Microsoft 365 バージョン 2308 (ビルド 16731.20170) 以降では、Excelの値の貼り付けのショートカットキーが使用できます。
[Ctrl]+[Shift]+[V]です。
これは、Word、PowerPoint、Outlookでは[書式のコピー/貼り付け]で貼り付け先でのショートカットキーになります。
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テキストボックスの[書式のコピー/貼り付け]ができない
Office2016に限ったことではないのですが、「テキストボックスで書式のみをコピーして貼り付けようとしてもできない」と、よく質問を受けま ...
参考確定前ならセル内改行された文字列を解除するのは、[BackSpace]キーでOKです。改行された文字列の先頭にカーソルを置いて、[Backspace]キーを押します。