Excelのセルに数値が入力されていると思っても、実際は文字列だったということがあります。
見た目は数値に見えても表示形式は文字列になっていることがあります。
セル範囲の中に見た目は数値の文字列が混じっていると、トラブルの原因になったりします。
関数を使って計算しようとすると結果がおかしいとか、並べ替えもうまくいかなくなってしまいます。
セル範囲が小さい場合は、見つけるのも簡単かもしれませんが、セル範囲が広くなると見つけるのも困難です。
たとえば、下のような表があります。
1つのセルが文字列になっています。
見ただけでは分かりませんよね。
問題点:合計値が異なる
セルD7には、SUM関数が入力されてますが、合計値が間違っていますね。
参考職場で、計算機で計算した合計値とExcelの合計値が違うということがありました。原因は数字文字列(見た目は数値に見える文字列)でした。
問題点:最大値も異なる
5月の最大値も違っています。
文字列を探すには
数字の文字列を見つける方法はいくつかありますが、もろもろの設定をしてあっても確実に見つける方法を紹介します。
条件付き書式を使って
セル範囲を指定します。ここでは、セルB2からセルC10までです。
[ホーム]タブの[スタイル]グループにある[条件付き書式]から[新しいルール]をクリックします。
[新しい書式ルール]ダイアログボックスが表示されます。
[数式を使用して、書式設定するセルを決定]をクリックします。
下のようにダイアログボックスが変わります。[次の数式を満たす場合に値を書式設定]のテキストボックスに[=ISTEXT(B2)]と入力します。
参考ISTEXT関数は、セルの内容が文字列である場合にTrueを返してくれる関数です。
そして、[書式]をクリックします。
[セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されます。
任意の背景色を選択して、[OK]ボタンをクリックします。
[新しい書式ルール]のダイアログボックスに戻ります。
[OK]ボタンをクリックします。
結果、下のように文字列のセルに背景色がつきます。
参考条件付き書式のルールの削除については、以下の記事で解説しています。
数字文字列を数値にするには
見つけた数字文字列を数値にするには、いくつかの方法がありますが、数値の1を乗算する方法が早いと思います。
表以外の空いているセルに[1]を入力します。
そして、そのセルをコピーします。
文字列のセルを選択して、右クリックして、[貼り付けのオプション]の[形式を選択して貼り付け]から[形式を選択して貼り付け]をクリックします。
[形式を選択して貼り付け]の中から[乗算]を選択して、[OK]ボタンをクリックします。
表は下のようになって、文字列だった数字も数値になります。
表示形式は[標準]になっています。
ミスを防ぐには
文字列のセルに数値を入力するとセルの左上に緑色の三角マークが付き、下のようにポップヒントが表示されます。
このセルにある数値が、テキスト形式か、またはアポストロフィーで始まっています。
また、エラーマークをクリックすると、下のようにメニューの中からエラーの処理を選択するように求められます。
ですが、[Excelのオプション]で、下のように[数式]の[エラーチェック]で[バックグラウンドでエラーチェックを行う]のチェックボックスをオフにしていると、上記のようなポップヒントやメニューは一切表示されません。
できれば、この設定は既定のままオンにしておかれた方がいいと思います。
[Excelのオプション]ダイアログボックスは、[ファイル]タブをクリックして[オプション]をクリックします。
または、エラーマークの[エラーチェック オプション]をクリックしても表示できます。
関連以下は、条件付き書式に関するページです。
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