貼り付けオプションのコマンドはコピーしたデータによって異なる

貼り付けオプションのアイコンにマウスをポイントすると（合わせると）、ポップヒントにコマンド名が表示されます。

ポイントするだけで、貼り付けした結果がプレビューで表示されるので便利ですね。

この機能のことをリアルタイムプレビューといいます。

リアルタイムプレビューとは、一覧の選択肢をポイントして、設定後の結果を確認できる機能のことです。

確定前に結果を確認できるため、繰り返し設定し直す手間を省くことができますし、貼り付け時のミスも軽減することができます。

また、［貼り付けオプション］のコマンドは、クリップボードに格納されているデータによって異なります。

貼り付けオプションのコマンド名

ワークシートのデータをコピーして、［ホーム］タブの左端にある［貼り付け］の▼ボタンをクリックすると、以下のようなコマンドの一覧が表示されます。

［貼り付け］カテゴリー

• 貼り付け
• 数式
• 数式と数値の書式
• 元の書式を保持
• 罫線なし
• 元の列幅を保持
• 行列を入れ替える（Excel2016以降は［行/列の入れ替え］）

［値の貼り付け］カテゴリー

• 値
• 値と数式の書式
• 値と元の書式

［その他の貼り付けオプション］カテゴリー

• 書式設定
• リンク貼り付け
• 図
• リンクされた図

貼り付け後の［貼り付けオプション］について

ショートカットキー［Ctrl］+［V］で貼り付けをした後に、右下に表示される［貼り付けオプション］ではプレビューは表示されません。

［貼り付けオプション］によって、貼り付けの種類を変更することはできます。

貼り付け後の［貼り付けオプション］は、［Ctrl］キーを押すことで展開できます。

貼り付け後に［貼り付けオプション］が表示されない場合

貼り付け後、右下に表示される［貼り付けオプション］ボタンが表示されない場合は、［Excelのオプション］で設定を確認してみてください。

［ファイル］タブをクリックしてBackstageビューを表示して、［オプション］をクリックします。

キーボードから［Alt] →［F］→［T］の順に押しても［オプション］ダイアログボックスを表示できます。

［詳細設定］の［切り取り、コピー、貼り付け］にある［コンテンツを貼り付けるときに［貼り付けオプション］ボタンを表示する］のチェックボックスがオフになっていないかを確認してみてください。

また、［コンテンツを貼り付けるときに［貼り付けオプション］ボタンを表示する］の設定がオフの場合、オートフィルオプションも非表示になります。

Excelだけでなく、WordやPowerPointにもオプションの［詳細設定］に［コンテンツを貼り付けるときに［貼り付けオプション］ボタンを表示する］の設定があります。

各アプリケーションにこの設定があるのですが、1つのアプリケーションで設定すると、ほかのアプリケーションも設定が有効になります。

以下の記事で解説しています。

貼り付け後に右下に「貼り付けオプション」ボタンが表示されない

右クリックのショートカットメニューにある［貼り付けオプション］

コピーを実行後、右クリックのショートカットメニューから［貼り付けオプション］を選択すると、コマンドをポイントしてリアルタイムプレビューで表示されます。

［形式を選択して貼り付け］をポイントすると、すべてのコマンドが表示されます。

［貼り付けオプション］のコマンドが異なる・少ない場合

［貼り付けオプション］に表示されるコマンドは、クリップボードに保存されているデータによって異なりますので、［貼り付けオプション］のコマンドが少ないということがあります。

Excel2010以前の場合は、別ウィンドウでブックを表示して、セルの値をコピー＆ペーストしようとするとコマンドは少なくなります。

いつもと貼り付けオプションのコマンドが違う、あるいは必要なコマンドが表示されていないというような場合は、一度クリップボードの内容を確認してみてください。

Windows 10以降は、［Windows］+［V］でクリップボードの内容を確認できます。

また、貼り付ける時に、セルではなくグラフや図形などを選択していないかも確認してください。

複数シートをグループ化している場合

複数シートをグループ化している場合は、以下のようなコマンドになります。

表をコピーした後の貼り付けオプションです。［リンク貼り付け］と［図］、［リンクされた図］のボタンはありません。

テーブル全体をコピーした場合

テーブルをコピーした場合の貼り付けオプションには、［リンク貼り付け］と［リンクされた図］のボタンはありません。［行列を入れ替える］コマンドもありません。

ただし、テーブル全体ではなく、テーブルを部分的に範囲選択してコピーした場合は、すべてのコマンドボタンが表示されます。

［デザイン］タブの［ツール］グループにある［範囲に変換］ボタンをクリックして、テーブルを通常のセル範囲に変換すると、

すべてのコマンドが表示されるようになります。

［範囲に変換］を実行すると、セルの背景色、文字色、罫線などの書式はテーブルのままになります。

範囲に変換した後、書式をクリアする方法については、以下を参照してください。

テーブルを解除して通常の表に変換するには

また、書式を残したくなければ、先にテーブルのスタイルをクリアして、［範囲に変換］を実行する方法もあります。

テーブルのスタイルをクリアして［範囲に変換］

参考［範囲に変換］とは通常のセル範囲に変換されるということです。

テーブル全体を［リンクされた図］として貼り付けしたい場合は、カメラ機能を使うとリンク貼り付けができます。

カメラをクイックアクセスツールバーに登録

［カメラ］の操作方法は、以下の記事が参考になると思います。

テキストファイルをコピーした場合の［貼り付けオプション］

メモ帳などを開いてテキストファイルをコピーした後、［貼り付けオプション］を表示すると、以下のコマンドが表示されます。

• テキストのみ保持
• テキストファイルウィザードを使用

［テキストファイルウィザードを使用］のコマンドについては、以下の記事で解説しています。

図形や画像をコピーした場合の［貼り付けオプション］

図形や画像をコピーした場合は、以下のようになります。左から順に以下のコマンドが並んでいます。

• 貼り付け先のテーマを使用
• 元の書式を保持
• 図

Webページの表などをコピーした場合

Excel2010では、Webページの一部をコピーすると、以下のコマンドが表示されます。

• 元の書式を保持
• 貼り付け先の書式に合わせる
• 更新可能なWebクエリ

［更新可能なWebクエリ］をクリックすると、［新しいWebクエリ］ダイアログボックスが表示され、簡単にWebページの内容を読み込むことができます。

参考Excel2007までは、貼り付け後の［貼り付けオプション］に表示されていたものです。

Excel2010では、貼り付けしなくても［貼り付けオプション］から選択できるようになっています。

Excel2010でも貼り付け後の［貼り付けオプション］にも同じように表示されます。

Webページのデータは、Power Queryの機能を使って取り込むこともできます。

貼り付けオプションの［条件付き書式の結合］

条件付き書式を設定している表をコピーすると、貼り付けオプションには［条件付き書式の結合］のコマンドも表示されます。

以下はテーブル全体をコピーしたときの貼り付けオプションです。

［条件付き書式の結合］をクリックすると、貼り付け先の表に条件付き書式が追加されます。

貼り付け先の表に条件付き書式があってもなくても［条件付き書式の結合］コマンドが表示されます。

貼り付け先の表に条件付き書式が既に設定されてる場合は、条件付き書式の先頭に追加されます。

例えば、以下のような2つの条件付き書式を設定した表があります。

左の表の金額には［上位1位］、右の表の金額には［下位1位］に塗りつぶしを設定しています。

左の表の金額の範囲をコピーして、

右の表の金額の範囲へ貼り付けする時、［貼り付けオプション］の［条件付き書式の結合］をクリックすると、すでに設定されていた条件付き書式はそのまま残り、貼り付け元の条件付き書式が追加されます。

ただ、値も貼り付けられますので注意してください。

同じ値の表で条件付き書式を結合する場合は便利だと思います。

貼り付け先の条件付き書式の範囲を選択して［ホーム］タブの［条件付き書式］から［ルールの管理］をクリックします。

下のように［条件付き書式ルールの管理］ダイアログボックスが表示され、条件付き書式が追加されているのが確認できます。

条件付き書式が結合されているということです。

条件付き書式のコピーについては、以下の記事で解説しています。

参考［貼り付けオプション］にも［形式を選択して貼り付け］にも［罫線のみ貼り付け］のコマンドはありません。

でも、［書式設定］と［罫線を除くすべて］というコマンドはありますので、ちょっと工夫すると罫線のみの貼り付けを行うことができます。

［貼り付けオプション］の中の［元の列幅を保持］というコマンドも大いに役立ちます。

以下の記事でも貼り付けオプションについて解説しています。