Excelのバージョンが2010までのブック間で数式をコピーする時には、同一ウィンドウ内で行ってください。
Excel2010までは、別ウィンドウで開いた状態では値の貼り付けになってしまいます。
Excel2013以降では問題ありません。
Excel2010とExcel2013では、インターフェイスが異なります。
そのため、Excel2013では利用できなくなった機能もあります。
参考Officeのバージョンについては、以下の記事で解説しています。
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Office(Word、Excel、PowerPointなど)のバージョンを確認する方法
Microsoft Officeも長い時間を経て、大きく様変わりしてきました。 トラブルを解決しようとするとき、あるいは、何かの操作を探すと ...
現象の再現
タスクバーに登録したExcelを[Shift]キーを押したままクリックしたり、マウスのホイールボタンでクリックすると、ブックを別ウィンドウで開くことができます。
いずれかの方法で、Book1とBook2を別ウィンドウで起動します。
そして、Book1のセル[C1]の数式をBook2のセル[C1]へコピー&ペーストします。
[貼り付けのオプション]の種類も下のように少ないですね。
貼り付けようとすると、メッセージウィンドウが表示されます。
メッセージには、下のように記されています。
貼り付け元の範囲には、Excelのこのインスタンスに貼り付けられない数式が含まれています。
これらの数式は値として貼り付けられます。
この原因として、貼り付け元が、保護されたビュー、Excelの別のインスタンス、または他のアプリケーションだったことが考えられます。
[OK]ボタンをクリックすると、メッセージどおり値が貼り付けられます。
ブック間で数式をコピーする場合は、同一ウィンドウ内で並べて操作されることをお勧めします。
Excel2010までは、MDI(マルチドキュメントインターフェイス)なので、保存したブックをダブルクリックで起動すると、同じウィンドウ内にブックが表示されます。
ですが、Excelをスタートメニューのアプリケーションから起動すると別ウィンドウとして開くことができます。
こうした状態で数式のコピーをすると、上記のような問題が起きてしまいます。
同一ウィンドウ内での操作
2つのブックをダブルクリックで起動します。
[表示]タブにある[整列]をクリックします。
[ウィンドウの整列」ダイアログボックスが表示されます。
[左右に並べて表示]を選択して、[OK]ボタンをクリックします。ここでのように2つのブックの場合は、[並べて表示]を選択してもかまいません。
同じウィンドウ内に2つのブックが左右に並びます。
この状態で上記と同じようにBook1のセル[C1]をコピーして、Book2のセル[C1]へ貼り付けようとすると、[貼り付けオプション]もいつものようにたくさん表示されます。
[数式]をポイントして確認します。
Book2のセル[C1]には、数式が貼り付けられます。
参考シートを並べて表示する方法については、以下の記事で解説しています。
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異なる(同一)ブックのワークシートを左右や上下に並べて表示
異なるブックのワークシートを左右に並べて表示したい、あるいは同じブックの異なるシートを並べて表示したいという場合の方法です。 ワークシートを ...
Excel2013以降は、SDI(シングルドキュメントインターフェイス)となっていて、別ウィンドウのままブック間の数式のコピー&貼り付けを行うことができます。
貼り付けオプションのコマンドは、コピーしたデータによっても異なります。
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貼り付けオプションのコマンドはコピーしたデータによって異なる
貼り付けオプションのアイコンにマウスをポイントすると(合わせると)、ポップヒントにコマンド名が表示されます。 ポイントするだけで、貼り付けし ...
Excel2013以降に利用できなくなった機能
MDI(マルチドキュメントインターフェイス)からSDI(シングルドキュメントインターフェイス)になったことで、利用できなくなった機能もあります。
MDI(マルチドキュメントインターフェイス)からSDI(シングルドキュメントインターフェイス)へ
Excel2010には、以下の画像のように[ウィンドウを閉じる]ボタンがありますが、
Excel2013には、[ウィンドウを閉じる]ボタンはありません。
[シート構成とウィンドウの保護]で[ウィンドウ]
Excel2013以降は、[ブックの保護]の[シート構成とウィンドウの保護]で[ウィンドウ]の利用はできなくなっています。
参考以下の記事が参考になると思います。
作業状態の保存
[表示]タブの[ウィンドウ]グループにある[作業状態の保存]機能も、Excel2013では廃止されました。
[作業状態の保存]とは、複数のブックを開いて、その作業状態のまま保存できる機能です。
作業状態の保存
すべてのウィンドウの現在のレイアウトを、後で復元できるように作業状態ファイルとして保存します。
拡張子は(.xlw)となり、ダブルクリックすると、以前の作業状態で開くことができます。
Excel2013以降は、この[作業状態の保存]コマンドはありません。
以下は、Excel2013の[表示]タブです。
ただし、Excel2010までのバージョンで作成した(xlw)のファイルは、Excel2013以降もダブルクリックで開くことはできます。