ワークシートを保護しておくと、誤ってデータを消したり変更してしまうのを防ぐことができます。
複数のユーザーで使用しているシートには効果的です。
シートの保護を設定する前に入力セルのロックを解除しておくと、その部分は入力と編集が可能になります。
編集可能にするセルを選択
以下のような納品書を作成しています。
セル[D7]からセル[D11]には、VLOOKUP関数で商品番号から商品名データを参照できるようにしています。
同じようにセル[E7]からセル[E11]も、VLOOKUP関数で商品番号から価格データを参照しています。
また、セル[G7]からセル[G11]にもIFERROR関数を入力しています。
セル[G12]には、合計を求めるSUM関数を入力しています。
参考ここで使用しているVLOOK関数とIFERROR関数については、以下の記事で解説しています。
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VLOOKUP関数のエラー回避はIFERROR関数で
Excelでデータを参照する場合、VLOOKUP関数を使います。 下の左の表、セル[C2]からセル[C7]には、VLOOKUP関数が入力され ...
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エラーの場合の値を指定できるIFERROR関数
エラー値を表示せずにエラーの場合の値を指定することができるIFERROR(イフエラー)関数というのがあります。 式がエラーの場合は、エラーの ...
[Ctrl]キーを使って複数のセル範囲を選択
複数のセル範囲をまとめて選択するには、[Ctrl]キーを使用します。
セル[B3]を選択した後、[Ctrl]キーを押して、セル[H2]からセル[H3]を選択します。
同じように入力するセル範囲を選択していきます。
セルのロック解除
セル範囲を選択したまま操作します。
[ホーム]タブの[セル]グループにある[書式]をクリックして、[セルのロック]をクリックします。
以下の画像は、解除する前のセルのロックが有効な状態です。
既定では、全セルのロックが有効になっています。
[セルのロック]をクリックして解除すると、[セルのロック]は色がない状態になります。
これが、ロックが無効になった状態です。
[セルの書式設定]ダイアログボックスからロックをオフ
セルのロックの設定は、[セルの書式設定]ダイアログボックスから操作することもできます。
どちらかで設定します。
範囲選択しているセルで右クリックして、ショートカットメニューから[セルの書式設定]をクリックします。
または、ショートカットキー[Ctrl]+[1]を使用します。(テンキーの1は不可)
[セルの書式設定]ダイアログボックスの[保護]タブの[ロック]をオフにします。
シートの保護
編集可能なセルのロックを無効した後、シートの保護を行います。
シートの保護は、3か所から設定することができます。
シートの保護を設定する場合は、どのセルを選択していてもかまいません。
[校閲]タブの[シートの保護]から設定
[校閲]タブの[変更]グループの[シートの保護]をクリックします。
シートの保護
変更可能な情報を指定して、シート内のデータに対する不要な変更を防ぎます。
たとえば、ロックされたセルの編集やドキュメントの書式の変更を防ぐことができます。
パスワードを指定することができます。このパスワードを入力するとシートの保護が解除され、変更が可能になります。
[シートの保護]ダイアログボックスが表示されます。
パスワードは空白のままでもシートの保護は設定できますが、[シートとロックされたセルの内容を保護する]のチェックボックスはオンになっていることを確認します。
[OK]ボタンをクリックします。
パスワードの設定
シートの保護には、パスワードを設定することもできます。
パスワードを知っているユーザーのみが解除できるようになります。
[シートの保護を解除するためのパスワード]のテキストボックスにパスワードを入力して、[OK]ボタンをクリックします。
[パスワードの確認]ダイアログボックスが表示されますので、再度、同じパスワードを入力して[OK]ボタンをクリックします。
注意:忘れてしまったパスワードを回復することはできません。パスワードと、それに対応するブックとシートの名前を一覧にして、安全な場所に保管することをお勧めします。(パスワードについては大文字と小文字が区別されることに注意してください。)
参考[パスワードの確認]ダイアログボックには注意書きがありますが、[シートの保護]のパスワードを忘れてしまった場合は、全セルを選択してコピーして別のシートへ貼り付けるとパスワードが解除されて編集できるようになります。
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また、シート見出しで右クリックして[移動またはコピー]で新しいブックへコピーを作成します。
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ワークシートを新しいブックとして保存[シートの移動またはコピー]
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Excel2016以降は、注意書きが削除されています。
[ホーム]タブの[書式]から設定
[ホーム]タブの[セル]グループにある[書式]をクリックして、[シートの保護]をクリックします。
Backstageビューの[情報]から設定
[ファイル]タブをクリックしてBackstageビューを表示します。
[情報]の[ブックの保護]から[現在のシートの保護]をクリックします。
現在のシートに対してユーザーが行える変更の種類を管理します。
参考数式が入力されたセルのみにロックをかける方法も解説しています。
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Excelのブックを複数人と共有すると「えっ?」と思うことはよくあります。 「せっかく苦労して作成した数式が消えてる!」なんてこともあります ...
シートの保護の確認
シートが保護されていることを確認します。
ロックされたセルにデータを入力しようとすると、以下のメッセージウィンドウが表示されます。
変更しようとしているセルまたはグラフは保護されているため、読み取り専用となっています。
保護されているセルまたはグラフを変更するには、[校閲]タブをクリックし、[変更]グループの[シート保護の解除]をクリックして保護を解除します。パスワードの入力を要求されることもあります。
ロックを解除したセルには、入力ができます。
また、[Tab]キーを押すと、ロックを解除したセルのみがアクティブになり[Tab]キーで移動できます。
シートの保護の解除
シートの保護を解除するには、シートの保護を設定した3か所のいずれかで操作します。
連動していますので、どこか1か所で解除すればOKです。
[校閲]タブであれば、[変更]グループにある[シート保護の解除]をクリックします。
または、[ホーム]タブの[セル]グループにある[書式]をクリックして、[シート保護の解除]をクリックします。
Backstageビューでも設定できます。
[情報]タブから[ブックの保護]をクリックして、[現在のシートの保護]をクリックします。
あるいは、[ブックの保護]の[保護解除]をクリックします。
パスワードを設定していた場合は、[シート保護の解除]ウィンドウが表示されてパスワードが求められます。
参考[校閲]タブの[ブックの保護]については、以下の記事で解説しています。
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