Officeには、非表示のデータや個人情報などを自動的にチェックして削除してくれる機能があります。
Excelであれば、非表示の行や列、ワークシート、Wordなら変更履歴や隠し文字、PowerPointはノートの内容などをチェックして削除できます。
ドキュメント検査は、Office2007からの機能です。
ただ、マクロ有効ファイルで実行する場合は、気をつけてください。
[ドキュメントのプロパティと個人情報]ですべて削除を実行した後、そのままだと保存する度にメッセージウィンドウが表示されるようになります。
ドキュメント、プレゼンテーション、ブックを検査して非表示のデータと個人情報を削除する - Office サポート(Microsoft)
参考Office2007以降、作成したファイルは簡単にPDF化できますが、その時も外へ出すファイルの場合は、[ドキュメント検査]で個人情報などはしっかりチェックされることをお勧めします。
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この記事の目次
Backstageビューの[ドキュメント検査]
ここでは例として、Wordで解説します。[ファイル]タブをクリックして、[情報]内容を表示します。
Backstageビューですね。
[問題のチェック]ボタンをクリックして、[ドキュメント検査]をクリックします。
ドキュメント検査
文書に隠しプロパティや個人情報がないかどうかをチェックします。
参考[問題のチェック]の中にある[アクセシビリティチェック]と[互換性チェック]については、以下の記事で解説しています。
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アクセシビリティチェックの実行とエラーと警告の解決
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ドキュメント検査の実行
[ドキュメント検査]が表示されます。[検査]ボタンをクリックします。
以下は、Word2013のドキュメント検査です。
ドキュメント検査の内容
ドキュメント検査の内容は、アプリケーションによって異なります。
項目が多いので、一番下までスクロールして確認してください。
また、検査不要なものは、チェックをオフにします。
Word
Wordでは、変更履歴や隠し文字、ヘッダー、フッターなどの情報もチェックして削除できます。
一番下までスクロールして確認してください。
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Excel
Excelでは、非表示の行や列、非表示のワークシートなどをチェックできます。
参考Excel2016以降は、[ブックの統計情報]という機能があります。[ブックの統計情報]を表示すると、非表示シートなどの情報を取得できます。
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PowerPoint
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[ドキュメントのプロパティと個人情報]をすべて削除
検査結果を確認して、下のようになって、[ドキュメントのプロパティと個人情報]を削除したい場合は、[すべて削除]ボタンをクリックします。
ドキュメントのプロパティと個人情報が削除され、下のようになります。
プロパティなどを開いて確認してみてください。
情報は消えていると思います。
注意[ドキュメントのプロパティと個人情報]を削除した場合、コメントや変更履歴にユーザー名が表示されなくなることがあります。
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個人情報を入力して保存したい場合
[ドキュメントのプロパティと個人情報]を削除した場合、[ファイルの保存時にプロパティと個人情報を自動的に削除する設定]になります。
再度、個人情報を書き込みたい場合は、作成者など必要事項を入力後、閉じる前に
[ドキュメント検査]の[これらの情報をファイルに保存できるようにする]をクリックします。
これで保存できるようになります。
プライバシーオプションの[ドキュメント検査]
Backstageビューの[ドキュメント検査]と同じものが、プライバシーオプションにもあります。
キーボードから[Alt]→[T]→[F]の順にを押して、[オプション]ダイアログボックスを表示します。
もちろん、[ファイル]タブの[オプション]をクリックしてもかまいません。
ここでは、Wordで解説します。
[Wordのオプション]ダイアログボックスが表示されたら、[セキュリティセンター]をクリックして[セキュリティセンターの設定]をクリックします。
[セキュリティセンター]は、Office2016以降は[トラストセンター]という名称になっています。
[セキュリティセンター]ダイアログボックスが表示されます。
[ドキュメント固有の設定]に[ドキュメント検査]があります。
ここの[ドキュメント検査]を実行して[ドキュメントのプロパティと個人情報]で[すべて削除]をクリックすると、[ファイルを保存するときにファイルのプロパティから個人情報を削除する]のチェックボックスがオンになります。
Backstageビューの[これらの情報をファイルに保存できるようにする]をクリックすると、この項目はオフになります。
参考Backstageビューの[ドキュメント検査]とプライバシーオプションの[ドキュメント検査]は同じです。
プライバシーオプションで[ドキュメント検査]を実行して[ドキュメントのプロパティと個人情報]から[すべて削除]をクリックすると、[ファイルを保存するときにファイルのプロパティから個人情報を削除する]のチェックボックスがオンになります。
そして、Backstageビューの[ドキュメント検査]も[ファイルの保存時にプロパティと個人情報を自動的に削除する設定]が表示されます。
Backstageビューから[ドキュメント検査]の[これらの情報をファイルに保存できるようにする]をクリックすると、プライバシーオプションの[ファイルの保存時にプロパティと個人情報を自動的に削除する設定]もオフになります。
ただ、プライバシーオプションの[ドキュメント検査]実行後、個人情報を削除して[ファイルを保存するときにファイルのプロパティから個人情報を削除する]のチェックボックスをオフにしても、Backstageビューの[ドキュメント検査]は[ファイルの保存時にプロパティと個人情報を自動的に削除する設定]のままです。
マクロ有効ブックを保存するときにメッセージウィンドウが表示される
マクロ有効ブックで[ドキュメント検査]で[個人情報]をすべて削除した後、そのままブックを保存しようとすると、以下のメッセージウィンドウが表示されるようになります。
Wordのマクロ有効文書でも同じです。
[OK]ボタンをクリックすると、閉じることはできますが、毎回表示されると鬱陶しいですね。
ドキュメント検査機能では削除できない個人情報がドキュメントに含まれていることがありますので、ご注意ください。
Office2007とOffice2010では、以下のようなメッセージウィンドウです。
マクロ内の個人情報はドキュメント検査では削除できないとうことです。
プライバシーに関する注意:このドキュメントには、マクロ、ActiveXコントロール、XML拡張パックの情報、または Webコンポーネントが含まれています。これらにはドキュメント検査機能で削除することができない個人情報が含まれる場合があります。
これも、[ブックの検査]の[これらの情報をファイルに保存できるようにする]をクリックすると、表示されないようになります。
このメッセージウィンドウが表示されるブックの[ドキュメント検査]を見ると、以下のように表示されていると思います。
[これらの情報をファイルに保存できるようにする]をクリックします。
クリックすると以下のようになり、この後は、保存してもメッセージウィンドウは表示されません。
詳細は、以下で解説しています。
関連[ドキュメント検査]は、Office2010でも解説しています。Windowsのプロパティについても記しています。
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