Office2010では、[図形の書式設定]のグラデーションの設定が非常に分かり易くなりました。
グラデーションの分岐点は追加と削除ができます。
各分岐点の色を変更したり、明るさ、透過性を設定することができますし、分岐点を移動させて位置の%を変更することもできます。
グラデーションの分岐点の操作さえ分かれば、自在に設定できると思います。
この記事の目次
リボンの[図形の塗りつぶし]の[グラデーション]
グラデーションは、図形を選択して[描画ツール]-[書式]タブの[図形の塗りつぶし」から[グラデーション]をポイントすると、グラデーションの一覧が表示されます。
既定は[グラデーションなし]が選択されています。
[淡色のバリエーション]、または[濃色のバリエーション]の中から、任意のグラデーションを選択します。
しかし、ここでの設定は、1色の濃淡によるグラデーションのみになります。
2色以上のグラデーションを使用するには[図形の書式設定]から
2色以上の色を使ったグラデーションを設定したい場合は、[図形の書式設定]から操作します。
図形の書式設定の表示
以下は、PowerPoint2010の図形です。
図形内で、右クリックしてショートカットメニューから[図形の書式設定]をクリックします。
参考Excelの場合は、図形を選択して[Ctrl]+[1]で[図形の書式設定]ダイアログボックスを表示することができます。
WordとPowerPointではできません。
ショートカットキー[Ctrl]+[1]は、[セルの書式設定]ダイアログボックスを表示するショートカットキーとして知られていますが、図形を選択している場合は、[図形の書式設定]ダイアログボックスが表示されます。
Office2007では、Wordはまだ[オートシェイプの書式設定]でしたが、Office2010ではWordも[図形の書式設定]となりました。
[図形の書式設定]は、以下の時に表示されます。
- Wordの場合
[図形][テキストボックス] - Excelの場合
[図形][テキストボックス][系列の書式設定] - PowerPointの場合
[図形][テキストボックス][プレースホルダ]
[その他のグラデーション]から表示
[図形の塗りつぶし」の[グラデーション]の下部にある[その他のグラデーション]をクリックしても、[図形の書式設定]ダイアログボックスが表示されます。
[図形の書式設定]の[塗りつぶし(グラデーション)]
[図形の書式設定]の[塗りつぶし]から[塗りつぶし(グラデーション)]を選択します。
下部にグラデーションに関する設定が現れます。
グラデーションの分岐点の追加と削除
グラデーションの色をいくつ設定するかを決めるのが[分岐点]です。
分岐点は、複数設定できますし、削除したり追加したりすることができます。
右側にあるボタンで[分岐点の追加]と[分岐点の削除]を行うことができます。
ポイントすると、[グラデーションの分岐点を追加します][グラデーションの分岐点を削除します]と表示されます。
一番左の分岐点を選択した状態で[分岐点の追加]ボタンをクリックすると、選択した分岐点の右側に追加されます。
中間にあるボタンをクリックした場合も同じです。
ただし、一番右の分岐点を選択して追加ボタンをクリックすると、選択ボタンの左側に追加されます。
分岐点は、10個まで設定できます。
参考分岐点が2個以上の場合は、[削除]ボタンをクリックしなくても、下、または上へドラッグするだけでも削除できます。
分岐点が2個の時は、消えることはありません。2個は必ず残ります。
分岐点に色を指定
[グラデーションの分岐点]の1つの分岐点をクリックして、色を選択します。
このカラーパレットの[テーマの色]は、テーマによって異なります。
テーマを変更した時に影響を受けたくなければ、[標準の色]から選択します。
虹色のグラデーションを設定するには
虹色のグラデーションを作成したい場合は、赤・橙・黃・緑・青・藍・紫の7色を指定します。
虹の色が濃いと思ったら、各分岐点を選択して[明るさ]や[透過性]で調整してください。
グラデーションの位置
分岐点を移動させて位置の%を変更することができます。
リアルタイムプレビュー機能があるので、図形のグラデーションの結果を確認しながら、設定するといいですね。
分岐点を右や左にドラッグして調整します。
この時、分岐点が2個以上ある場合、下や上へドラッグしてしまうと、分岐点のつまみは消えてしまいますので気をつけて操作してください。
きっちり指定したい場合は、[位置]の数値で指定します。
参考リアルタイムプレビューとは、設定後の結果を確認できる機能のことです。
確定前に結果を確認できるため、繰り返し設定しなおす手間を省くことができます。
グラデーションの種類と方向の設定
グラデーションの[種類]と[方向]も開いてみると、面白いグラデーションになります。
[種類]には、4つの選択肢があります。既定は[線形]になっています。
以下は、[放射]を選択したグラデーションです。
以下は、[四角]を選択した時のグラデーションです。
以下は、[パス]を選択したグラデーションです。[パス]を選択した場合は、[方向]は無効になります。
[種類]を[放射]にして、[方向]をクリックすると、以下ような5種類のグラデーションが表示されます。
[種類]と[放射]を組み合わせると、面白いグラデーションができると思います。
[標準のスタイル]から選択
[標準のスタイル]をクリックすると、あらかじめ用意されたグラデーションから選択できます。
先にこのスタイルから選択して、細かい設定をしてもいいと思います。
参考Office2013以降は、[既定のグラデーション]になっていて、Office2010までの[標準スタイル]はありません。
以下の画像は、PowerPoint2013です。
[図形に合わせて回転する]とは
[塗りつぶしのグラデーション]の下部に[図形に合わせて回転する]という設定があります。
既定ではオンになっていますが、オフにするとグラデーションは、そのままにして図形を回転させることができます。
以下は、[図形に合わせて回転する]をオフにして、図形の回転ハンドルを使って左へ回転してみます。
グラデーションは、回転していません。
図形の周りのハンドルについては、以下の記事で解説しています。
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画像と図形のグラデーションを重ねる
写真と図形のグラデーションを重ねることもできます。
ちょっとクールな演出ができて面白いと思います。スライドの背景などに使用するのもお勧めです。
まず、[挿入]タブの[画像]グループにある[図]をクリックして画像を挿入します。
そして、[図形]から[正方形/長方形]を選択して、
画像にぴったりの大きさに調整して重ねます。
図形を選択して、[描画ツール]-[書式]タブの[図形のスタイル]グループにある[図形の枠線]から[線なし]を選択します。
[図形の書式設定]ダイアログボックスを表示します。
グラデーションの設定で[方向]を[右方向]を選択し、左端の分岐点の[透過性]を[100%]にします。
工夫次第でいろいろ楽しめると思います。
参考以下は、Office2007の[図形の書式設定]です。
似ていますが、グラデーションの設定は、Office2010のほうがずっと分かり易いと思います。
図形の書式設定のグラデーション(Office2007)
以下は、Office2019(PowerPoint2019)のグラデーションの設定画面です。
Office2013以降は、[図形の書式設定]は作業ウィンドウとしてウィンドウの右側に表示されます。
以下の画像では、作業ウィンドウは移動させて図形の近くに表示しています。
文字に対して設定したい場合は、[図形の書式設定]の[文字のオプション]をクリックして操作します。
Microsoftのサイトにグラデーションの分かり易い解説ページがありますので、リンクしておきます。
図形にグラデーションを追加する - Microsoft サポート(Microsoft)
グラデーションは、グラフなどでも活用できます。
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