画像や図形をたくさん挿入したものの、綺麗に揃えるのが面倒だと感じたことはありませんか?
WordやExcel、PowerPointには[オブジェクトの配置]という便利な機能があり、これを使えば散らばったオブジェクトも一瞬で整列させることができます。
整然と揃ったオブジェクトがある文書は、見た目も印象もぐっと良くなります。
オブジェクトとは
Word、Excel、PowerPointなどでいう[オブジェクト]とは、文書やスライド上で独立して操作できる要素のことです。
本文の文字とは別に、自由に移動・サイズ変更・書式設定ができる[部品]のようなものと考えると分かりやすいです。
主なオブジェクトの種類は、以下のようなものがあります。
オブジェクトの挿入
WordやExcel、PowerPointで図形を挿入するには、[挿入]タブの[図]グループにある[図形]をクリックし、一覧から任意の図形を選択してドラッグで描画します。
また、クリックのみでも挿入できます。以下の画像は、Word 2024です。
[図形]の一覧の中には、[テキストボックス]と[縦書きテキストボックス]もあります。
画像を挿入する場合は、[挿入]タブの[図]グループにある[画像]をクリックし、画像の挿入元を選択して挿入します。
ただし、Excel 2024とMicrosoft 365のExcelで従来のようにシートに画像を挿入する場合は、[セルの上に配置]を選択して操作します。
間違えて[セルに配置]を選択して挿入しても、[セルの上に配置]に切り替えることができます。以下の記事で解説しています。
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セルに画像を挿入する[セルに配置]機能で画像もデータとして扱える
Excel 2024では、画像をセル内に直接挿入できる[セルに配置]機能が追加されました。 画像がセル内にぴったり収まり、固定されます。 従 ...
参考Wordで画像を挿入するとカーソルの位置に、Excelもアクティブセルの位置に挿入されますので挿入前に確認してから操作するようにします。
[図形の書式]タブの[オブジェクトの配置]
図形や画像などのオブジェクトを挿入すると、[図形の書式]や[図の形式]タブが現れます。
オブジェクト以外を選択すると消えますが、オブジェクトを選択している間は、[図形の書式]や[図の形式]タブが表示されています。
ここでは、四角形の図形を挿入しています。
[図形の形式]タブの[配置]グループに[オブジェクトの配置]というコマンドがあります。
オブジェクトの配置
選んだオブジェクトをページのどの場所に配置するのかを決めます。
オブジェクトをページの余白や端に揃える場合に便利です。複数のオブジェクトの間隔g等しくなるように揃えることもできます。
ただし、[オブジェクトの配置]は、選択しているオブジェクトの数によって、有効になるコマンドが変更になります。
普段使っているコマンドが有効になっていないという場合は、選択しているオブジェクトを確認してください。
また、[オブジェクトの配置]の下部の選択肢によっては、同じコマンドでも異なる配置になることもあります。
Wordのメニュー
Wordで[オブジェクトの配置]クリックすると、以下のようなメニューが表示されます。
画像はWord 2024です。オブジェクトを1個選択している場合は、既定では[余白に合わせて配置]が選択されています。
オブジェクトを2個選択すると、自動的に[選択したオブジェクトを揃える]が選択されます。コマンドは、上から6個が有効です。
オブジェクトを3個以上を選択すると、[オブジェクトの配置]のすべてのコマンドが有効になります。
参考[オブジェクトの配置]メニューの下部にある[配置ガイドの使用]と[グリッドの設定]については、以下の記事で解説しています。
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配置ガイドとグリッド線の表示/非表示(同時使用はできない)
Word 2013の新機能です。 Word 2013では、図形や画像、テキストボックス、ワードーアートを移動させる時に余白の境界線やページの ...
Excelのメニュー
以下は、Excelの[オブジェクトの配置]メニューです。
Excelの場合は、オブジェクトの選択が1個の場合と2個の場合、3個以上の場合で有効になるメニューが異なります。
オブジェクトを1個選択して[オブジェクトの配置]をクリックすると、のコマンドは無効になっています。
オブジェクトを2個を選択すると、[オブジェクトの配置]の上から6個までが有効になります。
オブジェクトを3個以上を選択すると、[オブジェクトの配置]のすべてのコマンドが有効になります。
PowerPointのメニュー
以下は、PowerPointの[オブジェクトの配置]メニューです。
1個のオブジェクトを選択している場合は、[スライドに合わせて配置]が選択されています。
2個以上のオブジェクトを選択すると、[選択したオブジェクトを揃える]が選択されます。
コマンドは、上から6個が有効です。
3個以上のオブジェクトを選択すると、[オブジェクトの配置]のすべてのコマンドが有効になります。
参考OutlookのHTML形式のメッセージにも、[オブジェクトの配置]機能があります。PowerPointと似たようなコマンドです。
オブジェクトを複数選択するには
オブジェクトを複数選択するには、1つ目のオブジェクトを選択した後、キーボードから[Ctrl]キーを押したまま2個目、3個目のオブジェクトを選択します。
オブジェクトが多くて選択が大変な場合は、[図の形式]タブの[配置]グループにある[オブジェクトの選択と表示]をクリックして、[選択]作業ウィンドウを表示させると、操作が格段に楽になります。
参考[オブジェクトの選択と表示]の使い方については、以下の記事を参照してください。とても便利な機能です。
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複数の図形や画像を操作するには[オブジェクトの選択と表示]が便利
図形や画像を操作する機能として、[オブジェクトの選択と表示]というのがあります。 この機能は、複数の図形やテキストボックスなどを操作するとき ...
[オブジェクトの選択と表示]については、PowerPointでも解説しています。
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[オブジェクトの選択と表示]でオブジェクトをすべて非表示に
PowerPoint2007から、オブジェクトの選択と表示ウィンドウを表示することができます。 [オブジェクトの選択と表示]ウィンドウでは、 ...
また、複数のオブジェクトをドラッグで選択することもできます。
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ドラッグで複数オブジェクトの選択が可能(描画キャンバス外でも有効)
Word 2013では、複数オブジェクトの選択が[オブジェクトの選択]ボタンのドラッグ操作で可能になりました。 この機能は、Word 201 ...
Wordの[行内]は[前面]などに変更して操作
Wordで図形やテキストボックスを挿入すると、[文字列の折り返し]は[前面]になっていて、挿入後すぐにドラッグで移動させることができます。
しかし、画像を挿入すると、既定では[行内]になっています。[行内]は文字列と同じで右や左、中央にしか配置できません。
また、他のオブジェクトと一緒に選択はできません。
他のオブジェクトと揃える場合は、画像を選択したときに表示される右上の[レイアウトオプション]から[行内]以外を選択します。
参考文字列の折り返しについては、以下の記事で解説しています。
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図を挿入したときの[文字列の折り返し]の種類と配置(既定の変更)
Wordの文書に画像を挿入する形式は、既定では[行内]になっていて段落内に配置されるようになっています。 挿入した画像をドラッグで自由に移動 ...
OutlookのHTML形式も画像を挿入すると、[行内]で挿入されます。
[オブジェクトの配置]の8個のコマンド
3つ以上のオブジェクトを選択した場合に使用できる[オブジェクトの配置]の8つのコマンドについて解説します。
[選択したオブジェクトを揃える]が選択されている状態です。
ここでは、Wordの図形で解説しますが、ExcelやPowerPointでも同じです。
テキストボックスや画像も同じように揃えることができます。
左揃え
1番左にあるオブジェクトの左端に合わせて、すべてのオブジェクトが配置されます。
左右中央揃え
選択したオブジェクトの1番左のオブジェクトの左端と1番右のオブジェクトの右端を基準にした左右中央に、すべてのオブジェクトが配置されます。
右揃え
1番右にあるオブジェクトの右端に合わせて、すべてのオブジェクトが配置されます。
上揃え
1番上にあるオブジェクトの上端に合わせて、すべてのオブジェクトが配置されます。
上下中央揃え
1番上にあるオブジェクトの上端から、1番下にあるオブジェクトの下端を基準にした上下中央に、すべてのオブジェクトが配置されます。
下揃え
1番下にあるオブジェクトの下端に合わせて、すべてのオブジェクトが配置されます。
左右には整列
1番左にあるオブジェクトの左端から1番右にあるオブジェクトの右端を基準にして、すべてのオブジェクトが左右等間隔に配置されます。
以下の画像は、分かりやすいように赤い点線を入れています。
上下に整列
1番上にあるオブジェクトの上端から1番下にあるオブジェクトの下端を基準にして、すべてのオブジェクトが上下等間隔に配置されます。
以下の画像は、分かりやすいように赤い点線を入れています。
参考[左右中央揃え]と[上下に整列]を実行すると、以下のように揃えることができます。
Wordの[余白に合わせて配置]と[用紙に合わせて配置]について
Wordでオブジェクトを1個選択して、[余白に合わせて配置]が選択されて場合は、[左揃え]を選択すると本文領域の左端に配置されます。
[右揃え]や[上揃え]などを選択した場合も、同じように本文領域と空白の境界へ配置されます。
複数のオブジェクトを選択して[余白に合わせて配置]を選択すると、まとめて配置することができます。
[用紙に合わせて配置]を選択している場合は、用紙の左端に配置されます。
[右揃え]や[上揃え]などを選択した場合も、同じように用紙に合わせて配置されます。
複数のオブジェクトを選択して[用紙に合わせて配置]を選択すると、まとめて配置することができます。
参考[用紙に合わせて配置]の便利な使い方については、以下の記事で解説しています。
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WordでA4用紙を三つ折りにする際に、正確に3等分できる位置に印を付けたい、あるいは文書作成中に三つ折りの位置を表示したいことがあります。 ...
PowerPointの[スライドに合わせて配置]について
PowerPointでオブジェクトを1個選択して、[スライドに合わせて配置]を選択している場合は、[左揃え]を選択するとスライドの左端に配置されます。
[右揃え]や[上揃え]などを選択した場合も、同じようにスライドの端に配置されます。
複数のオブジェクトを選択して[スライドに合わせて配置]を選択すると、まとめて配置することができます。
参考PowerPointの[スライドに合わせて配置]と[選択したオブジェクトを揃える]については、以下の記事で詳しく解説しています。
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オブジェクトの配置とグループ化(グループ化後の個々の編集は可能)
PowerPointでは、図形や画像を扱うことは多いと思います。 オブジェクトを配置するコマンドを上手に使って効率よく配置したいですね。 ま ...
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オブジェクトの周りに表示されるハンドルについては、以下の記事で解説しています。
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図形のサイズ変更・回転・調整ハンドルを使って目的の形状に変更
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