Windows 10 & Office 2016 Office 2016共通

アクセシビリティチェックの実行とエラーと警告の解決

投稿日:2017年1月7日 更新日:

Word、Excel、PowerPoint、Outlookにはファイルのアクセシビリティの問題を検出して解決するためのアクセシビリティチェック機能があります。

アクセシビリティチェック

このアクセシビリティチェックを使用すると、音声読み上げソフトを利用するユーザーにとって、判別しにくい情報が含まれていないかをチェックできます。

Office2010以降の機能です。ここでは、Excel2016で解説します。

参考アクセシビリティチェックは、旧拡張子では実行できません。

アクセシビリティチェック

アクセシビリティのチェックを実行する方法です。

Backstageビューから

[ファイル]タブをクリックして、Backstageビューを表示します。

[情報]タブの[問題のチェック]から[アクセシビリティチェック]をクリックします。

このアクセシビリティチェックのヒントには、以下のように記されています。

アクセシビリティチェック

視覚に障碍(しょうがい)のある方にとって読み取りにくい内容がブックに含まれていないかどうかをチェックします。

[情報]タブの[問題のチェック]-[アクセシビリティチェック]

Office2016以降は、Backstageビューの[エクスポート]で[PDF/XPSドキュメントの作成]を表示しても[アクセシビリティを調べる]ボタンが表示されます。アクセシビリティの検討が必要な場合のみに表示されます。

もしかしたら、バージョンアップによって表示されるようになったのかもしれません。

[アクセシビリティを調べる]をクリックすると、チェックが実行されます。

[エクスポート]-[PDF/XPSドキュメントの作成]の[アクセシビリティを調べる]

[校閲]タブの[アクセシビリティチェック]

また、[校閲]タブの[アクセシビリティ]グループにもあります。

[校閲]タブの[アクセシビリティチェック]のヒントには、以下のように記されています。

アクセシビリティチェック

アクセシビリティを確認しましょう。

ファイルがアクセシビリティのベストプラクティスに沿っていることを確認します。問題をすばやく修正できるよう、簡単に実行できる指示や推奨事項を提供します。

[校閲]タブの[アクセシビリティチェック]

アクセシビリティチェックの検査結果がウィンドウ右側の作業ウィンドウに表示されます。

このブックの場合は、1つのエラーと2つの警告表示されました。

  • 代替テキストなし(グラフ)
  • 明確でないハイパーリンクテキスト
  • 既定のシート名

アクセシビリティの検査結果

参考アクセシビリティチェックは、旧拡張子では実行できません。タイトルバーに[互換モード]と表示されていないかを確認してください。

アクセシビリティチェックが実行できない場合(Word2010)

Excel2016であれば、以下のように表示されます。

このドキュメントは、機能が制限された古い形式です。

アクセシビリティチェックを有効にするために、このファイルを最新の形式に変換することを検討してください。

旧拡張子でアクセシビリティチェックを実行した場合

バージョン2109以降、アクセシビリティチェックの機能が充実し、変更されています。以下を参照してください。

バージョン2109以降のアクセシビリティチェック

エラーと警告の解決

このエラーを1つずつ解決していきます。

代替テキストなし(グラフ)

グラフに代替テキストがないということなので、[グラフエリアの書式設定]を表示して、[サイズとプロパティ]にある[代替テキスト]に下のように入力しました。

これでアクセシビリティチェックの①のエラーは消えました。

参考代替テキストは、タイトルのみでもエラーは非表示になるようです。

[グラフエリアの書式設定]ウィンドウの[サイズとプロパティ]の[代替テキスト]

グラフの代替テキストの設定については、以下の記事でも解説しています。

グラフの代替テキストの設定(アクセシビリティチェック)

Excelで作成したグラフに代替テキストを設定する方法です。 グラフに代替テキストがないと、アクセシビリティチェックで[グラフに代替テキストがありませ ...

続きを見る

参考Excel2019とMicrosoft 365のExcelでは、[グラフエリアの書式設定]作業ウィンドウの[サイズとプロパティ]を表示しても[代替テキスト]はありません。

グラフエリアで右クリックすると、ショートカットメニューに[代替テキストの編集]があります。

Excel2019とMicrosoft 365のExcelの場合

明確でないハイパーリンクテキスト

明確でないハイパーリンクテキストということなので、[ハイパーリンクの編集]ダイアログボックスを開いて、[表示文字列]に[地図]と入力します。

これでアクセシビリティチェックの警告は消えました。

[ハイパーリンクの編集]ダイアログボックス

既定のシート名

シート名が既定のままということを警告されています。

ワークシートが1枚の場合は、[Sheet1]のままでも警告はでませんが、2枚以上になると警告がでます。

シート名を変更すると、警告は消えました。

シート名変更後のアクセシビリティチェックの結果

多くの方に公開するようなファイルは、アクセシビリティも意識したほうがいいですね。

バージョン2109以降のアクセシビリティチェック

おそらくバージョン2109で、アクセシビリティチェック機能がより充実したようです。

最新チャネル リリースのリリース ノート - Office release notes | Microsoft Docs(Microsoft)

Office2016とOffice2019のバージョン2109では、以下のように変更されています。Microsoft365の場合も同じです。

[校閲]タブのアクセシビリティチェックのメニュー

Excelの[校閲]タブの[アクセシビリティチェック]です。6個のメニューが表示されます。

  • アクセシビリティチェック
  • 代替テキスト
  • テーブルとして書式設定
  • セル結合の解除
  • オプション:アクセシビリティ
  • アクセシビリティのヘルプ

Excelの[校閲]タブの[アクセシビリティ]

[アクセシビリティチェック]をクリックすると、これまでと同じようにアクセシビリティチェックが実行され、[アクセシビリティ]作業ウィンドウに警告内容やエラーが表示されます。

[アクセシビリティ]タブ

新しい機能としては、[アクセシビリティ]作業ウィンドウが表示されると同時に[Accessibilty]タブも表示されます。

[Accessibilty]タブの左端にある[レビュー]から[アクセシビリティチェック]をクリックすると、[校閲]タブの[アクセシビリティチェック]のメニューと同じものが表示されます。

[アクセシビリティ]作業ウィンドウを閉じると、[Accessibilty]タブも非表示になります。

以下の画像は、Excel2016の2201(ビルド 14827.20158)です。バージョン2112でExcelのリボンは元の仕様に戻った

[Accessibilty]タブ

セル結合の解除

セルを結合している箇所があれば、そのセルを選択して、[アクセシビリティチェック]から[セル結合の解除]をクリックすると、解除できます。

テーブルの下に結合セルがある場合などに、警告されます。

セルの分割

現在のセルを複数のセルに分割します。

[アクセシビリティチェック]から[セル結合の解除]

オプションの設定とステータスバーのメッセージ

メニューの[オプション:アクセシビリティ]をクリックすると、[Excelのオプション]ダイアログボックスの[アクセシビリティ]タブが表示されます。

以前は、簡単操作]という名称でしたが、[アクセシビリティ]という表記に変更になっています。

[Excelのオプション]ダイアログボックスの[アクセシビリティ]

[作業中にアクセシビリティチェックを実行し続ける]がオンの場合は、ステータスバーにメッセージが表示されますが、オフにすると、このメッセージは非表示になります。

アクセシビリティ:検討が必要です

ステータスバーのメッセージ

ステータスバーのメッセージをクリックすると、作業ウィンドウに警告内容が表示されます。

また、ステータスバーで右クリックして[ステータスバーのユーザー設定]を表示して、チェックをオフにしても非表示になります。この場合もオプションの設定と連動します。

[ステータスバーのユーザー設定]の[アクセシビリティチェック]

参考[アクセシビリティ]作業ウィンドウに[作業中にアクセシビリティチェックを実行し続ける]の項目がある場合は、このチェックをオン/オフにしても、オプションの設定と連動します。バージョンによって異なると思います。

以下は、Excel2016 バージョン 2111(ビルド 14701.20262)です。

作業ウィンドウに[作業中にアクセシビリティチェックを実行し続ける]の項目

また、Excel2019とMicrosoft 365のExcelには、[代替テキスト]作業ウィンドウに[装飾用にする]という設定項目があり、これをオンにするとエラーは非表示になります。

[代替テキスト]作業ウィンドウの[装飾用にする]

Word/PowerPoint/Outlookの[アクセシビリティチェック]

[校閲]タブの[アクセシビリティチェック]のメニューは、アプリケーションによって異なります。

Wordの場合

以下は、Word2016の[アクセシビリティチェック]のメニューです。

Excelのような[Accessibility]タブは表示されません。

  • アクセシビリティチェック
  • 代替テキスト
  • ナビゲーションウィンドウ
  • オプション:アクセシビリティ

Word2016の[アクセシビリティ]のメニュー

参考カラーパレットに[ハイコントラストのみ]というフィルター機能があります。Outlookにもあります。

Wordのカラーパレットの[ハイコントラストのみ]

カラーパレットに[ハイコントラストのみ]を表示するフィルターが追加

Word2016以降には、カラーパレットに[ハイコントラストのみ]というフィルター機能が追加されています。 これは、コンテンツを読みやすくするアクセシ ...

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PowerPointの場合

以下は、PowerPoint2016の[アクセシビリティチェック]のメニューです。

  • アクセシビリティチェック
  • 代替テキスト
  • オプション:アクセシビリティ

PowerPoint2016の[アクセシビリティチェック]のメニュー

バージョンアップにより、[アクセシビリティチェック]のメニューは以下のようになっています。

[アクセシビリティのヘルプ]のメニューが追加されています。

以下の画像のバージョンは、2201(ビルド 14827.20158)です。

PowerPoint2016の[アクセシビリティチェック]のメニュー(ヘルプの追加)

また、Excelと同じように、アクセシビリティチェックを実行すると、[Accessibilty]タブが表示されるようになっています。

PowerPointの[Accessibilty]タブ

参考PowerPoint2019と2021、365のPowerPointでは、代替テキストの自動生成ができるようようになっています。WordとOutlookでも、自動生成ができます。

PowerPoint2021の代替テキストの自動生成を実行

代替テキストの自動生成で画像の説明を追加(アクセシビリティチェック)

PowerPoint2021で画像を挿入して、代替(だいたい)テキストのボタンをクリックすると、画像の右下に[承認]と[編集]というボタンが表示されま ...

続きを見る

Outlookの場合

Outlookでは、従来どおり[アクセシビリティチェック]のボタンのみです。

Outlookの[アクセシビリティチェック]

参考[問題のチェック]の中にある[ドキュメント検査]については、以下の記事で解説しています。

個人情報や隠し情報のチェックは[ドキュメント検査]で

Officeには、非表示のデータや個人情報などを自動的にチェックして削除してくれる機能があります。 Excelであれば、非表示の行や列、ワークシート、 ...

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互換性チェック]については、以下で解説しています。

新拡張子なのに[互換モード]と表示される(互換性チェックも解説)

Word2013で文書を開いてタイトルバーを見ると、拡張子は[.docx]なのに[互換モード]と表示されていることがあります。 これは、以前のバージョ ...

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