フォームウィザードでフォームを作成（クエリが認識されないことも）

Accessのフォームは、テーブルやクエリのデータを基に、データの表示、入力、編集を行うためのオブジェクトです。

フォームウィザードでは、［単票形式］、［表形式］、［データシート］、［帳票形式］の4種類のレイアウトから選択できます。

ウィザード形式なので、質問に答えていくだけでフォームを簡単に作成できます。

なお、フォームウィザードでクエリが正しく認識されない場合は、プロパティ内のレコードソースを修正します。

参考ここでは［ウィンドウを重ねて表示する］の設定にしています。［ウィンドウを重ねて表示する］と［タブ付きドキュメント］の違いについては、以下の記事で解説しています。

［タブ付きドキュメント］と［重ねて表示］の違いと切り替え方法

Access 2007以降、オブジェクトを表示すると、タブ付きウィンドウで表示されるようになっています。 以前からAccessを使っている方 ...

フォームウィザードの起動

フォームウィザードを起動するには、［作成］タブの［フォーム］グループにある［フォームウィザード］をクリックします。

［テーブル/クエリ］の▼ボタンをクリックして、フォーム作成となるテーブル、またはクエリを選択します。

ここでは、［T_売上］を選択します。

［選択可能なフィールド］からフォームに表示するフィールドを選択します。

ここでは、すべてのフィールドを表示するので、［>>］ボタンをクリックします。

参考［選択可能なフィールド］から選択し忘れたフィールドや、不要なフィールドがあっても、ウィザードでフォームを作成した後で修正できます。

フィールドの追加と削除

［選択したフィールド］にすべてのフィールドが移行したことを確認して［次へ］のボタンをクリックします。

フォームのレイアウトを指定します。

［単票形式］を選択して、［次へ］のボタンをクリックします。

参考ここのレイアウトについては、以下で解説しています。

フォームのレイアウトについて

フォーム名を指定します。ここでは、［F売上］とします。

既定の［フォームを開いてデータを入力する］を選択したまま、［完了］ボタンをクリックします。

次のような単票フォームが作成されます。

参考フォームビューで表示されるので、コントロールのレイアウトなどを修正する場合は、［レイアウトビュー］または［デザインビュー］に切り替えて修正します。

ここで［レイアウトビュー］が表示されていない場合は、［Accessのオプション］でレイアウトビューを使用しない設定になっていないかを確認してください。

レイアウトビューを使用しない設定

フォームウィザードを使って、サブフォームを含むフォームを作成することもできます。以下の記事で解説しています。

テーブル間でリレーションシップの設定ができていれば、作成は簡単です。

フォームウィザードを使ってサブフォームを含むフォームを作成

フォームウィザードで2つのテーブルやクエリを指定して、関連付けされたメインフォームとサブフォームを作成できます。 フォーム作成のもとになるテ ...

参考デザインビューからフォームビューに切り替えるショートカットキーは［F5］キーです。

フィールドの追加と削除

ウィザードで追加し忘れたフィールがあった場合や、削除したいフィールドは、フォームをデザインビューで開いて修正できます。

フィールドの追加

［デザイン］タブの［ツール］グループにある［既存のフィールドの追加］をクリックして、フィールドを追加します。

たとえば、［売上額］フィールドを追加していなかった場合は、［既存のフィールドの追加］をクリックして、［フィールドリスト］から、［売上額］フィールドをドラッグして追加します。

フィールドの削除

不要なフィールドは、選択して［Delete］キーで削除します。

または、フィールドを右クリックしてショートカットメニューから［削除］をクリックします。

クエリをもとに作成したが正しく認識されない場合の修正方法

フォームウィザードは、テーブル以外にクエリをもとにして作成できますが、作成したフォームにクエリがうまく認識されない場合があります。

例えば、以下のようなクエリがあります。

［Q_売上伝票］では、［伝票№］の昇順になるように［伝票№］フィールドの［並べ替え］で［昇順］にしています。

クエリをデータシートビューで表示すると以下のように表示されます。［伝票№］の昇順に並んでいます。

フォームウィザードを使って、このクエリ［Q_売上伝票］をもとにフォームを作成して、フォームビューで表示すると、［伝票№］の昇順になっていません。

フォームウィザードでは、レイアウトは［データシート］を選択して作成しています。

レコードソースを修正

作成したフォームをデザインビューで開いて、フォームセレクターをダブルクリックしてフォームプロパティを表示します。

［データ］タブの［レコードソース］を見ると、以下のようになっています。ここを修正します。

［データ］タブの［レコードソース］の▼ボタンをクリックして、一覧から元となっているクエリを選択します。

ここでは、［Q_売上伝票］ですね。

データシートビューに切り替えて確認すると、［伝票№］の昇順に並びます。

フォームウィザードで選択できるレイアウトについて

フォームウィザードで選択できるフォームレイアウトは、以下の4つの形式です。

• 単票形式
• 表形式
• データシート
• 帳票形式

単票形式

1件のレコードを1つのフォームにカードのように表示されます。

参考［作成］タブの［フォーム］グループにある［フォーム］を選択しても、単票形式（集合レイアウト）のフォームが作成できます。

集合形式レイアウトのコントロール調整（2段組み・左右に分割・結合）

Accessのオートフォームでフォームを作成すると、ラベルとテキストボックスが1列に並びますが、2段組みにしたほうが見やすい場合もあります。 ...

表形式

レイアウトの選択で［表形式］を選択します。

［表形式］を選択すると、以下のようなレイアウトのフォームが作成されます。

1件のレコードが1行に表示されて、複数のレコードが縦に並びます。

参考［作成］タブの［フォーム］グループにある［その他のフォーム］-［複数のアイテム］をクリックしても表形式のフォームを作成できます。

フォーム作成に便利！表形式レイアウトで列の幅や並び順を簡単調整

Accessのフォーム作成では、［コントロールレイアウト］という便利な仕組みを使うことで、複数のコントロールを自動的に整列させて、見た目をき ...

データシート

レイアウトの選択で［データシート］を選択します。

テーブルのデータシートビューと同じ形式になります。レコードが一覧で表示されます。

帳票形式

レイアウトの選択で［帳票形式］を選択します。

単票形式と同じように、1レコードが1フォームに表示されますが、帳票のように表示されます。

この帳票フォームですが、フォームプロパティの［既定のビュー］を確認すると、［単票フォーム］となっています。この場合の［単票フォーム］は、1件のレコードのみが表示されるということだと思います。

ここで、［帳票フォーム］を選択すると、

以下のように帳票形式のレイアウトのまま、複数のレコードが表示されるようになります。

フォームウィザードで［帳票形式］を選択すると、複数のレコードが表示されると思われがちですが、フォームウィザードでの［帳票形式］は1レコードです。

プロパティの［既定のビュー］でフォームレイアウトを切り替え

作成したフォームレイアウトが、目的のものでなかった場合は、フォームプロパティの［既定のビュー］で切り替えることができます。

デザインビューに切り替えて、［デザイン］タブの［ツール］グループにある［プロパティシート］をクリックするか、キーボードから［F4］キーを押します。デザインビューで［F4］キーを押すと、プロパティシートを表示できます。

または、フォームの左上の□をダブルクリックすると、フォームプロパティを表示できます。■になっている時はフォームが選択されています。

必ず［プロパティシート］の［選択の種類］が［フォーム］になっていることを確認してください。

［書式］タブの［既定のビュー］のプルダウン▼をクリックします。以下の4つのフォームが選択できるようになっています。

フォームビューに切り替えてみて、目的のレイアウトに近いものを選択するといいですね。

• 単票フォーム
• 帳票フォーム
• データシート
• 分割フォーム

参考分割フォームについては、以下の記事で解説しています。単票とデータシートビューを同時に表示できる形式です。

分割フォーム（単票フォームとデータシートを同時に表示）の作成と使い方

Accessでは、画面を2つに分け［単票フォーム］と［データシート］を同時に表示できる［分割フォーム］というのがあります。Access200 ...

ウィザード以外のフォームの作成

フォームを作成する方法はウィザードだけでなく、他にもあります。

できるだけテーブルやクエリに対応した目的のフォームに近いものを選択すると、その後の細かい編集も楽になります。

［作成］タブの［フォーム］グループに注目してください。

参考［フォームデザイン］をクリックすると、白紙の状態から手動でコントロールを配置し、フォームを作成することができます。

［フォーム］グループの［フォーム］

［フォーム］グループの［フォーム］を選択すると、単票フォームが作成されます。

必ず、クリックする前にテーブルや、クエリを選択します。

以下のような単票フォームが作成されます。

レイアウトビューで表示されるので、このままコントロールの編集ができます。

［ホーム］タブの［表示］で確認したり、ビューを切り替えることができます。

参考［フォーム］グループの［フォーム］は、オートフォームとも呼ばれます。集合形式レイアウトが適用されます。［配置］タブにあるコマンドを使用すると、効率よく調整できます。

集合形式レイアウトのコントロール調整（2段組み・左右に分割・結合）

Accessのオートフォームでフォームを作成すると、ラベルとテキストボックスが1列に並びますが、2段組みにしたほうが見やすい場合もあります。 ...

レイアウトの削除（コントロールのグループ解除）

フォームを作成すると、テーブルとしてレイアウトが設定されています。

［デザインビュー］に切り替えたときに、コントロールの位置や大きさを個別に調整するには、レイアウトを削除します。

［配置］タブの［テーブル］グループにある［レイアウトの削除］をクリックします。

または、コントロールを選択して右クリックします。ショートカットメニューの［レイアウト］から［レイアウトの削除］をクリックします。

これで個別に調整できるようになります。

右クリックの［レイアウトの削除］は、レイアウトビューにもあります。

参考Access 2007では、コマンドボタンの名前は［解除］だったのですが、Access 2010以降は［レイアウトの削除］となっています。

右クリックも［解除］でした。

コントロールのグループ化を解除する方法については、以下の記事で詳細に解説しています。グループ同士の結合もできます。

フォームのコントロールのグループ解除（レイアウトの削除）と結合・再設定

Accessでテーブルやクエリをもとにフォームを作成すると、コントロールを自由に移動できないということがあります。 それは、コントロールがグ ...

その他のフォーム（複数のアイテム）

［作成］タブの［フォーム］グループの［その他のフォーム］をクリックすると、以下のメニューが表示されます。

• 複数のアイテム
• データシート
• 分割フォーム
• モーダルダイアログボックス

複数レコードを表示するレイアウトを作成するのであれば、テーブルやクエリを選択して、［作成］タブの［フォーム］グループにある［その他のフォーム］から［複数のアイテム］を選択するといいと思います。

［複数のアイテム］を選択すると、以下のようなレイアウトになります。［表形式］レイアウトが適用されています。

この［複数のアイテム］を選択した場合のフォームのプロパティには［帳票フォーム］が選択されています。

参考［作成］タブの［フォーム］グループにある［その他のフォーム］から［複数のアイテム］を選択して作成したフォームは、［表形式］レイアウトが適用されています。

フォーム作成に便利！表形式レイアウトで列の幅や並び順を簡単調整

Accessのフォーム作成では、［コントロールレイアウト］という便利な仕組みを使うことで、複数のコントロールを自動的に整列させて、見た目をき ...

その他のフォーム（分割フォーム）

［作成］タブの［フォーム］グループの［その他のフォーム］-［分割フォーム］は、Access 2007からの機能です。

ポップヒントには、上がデータシート、下が単票フォームのように記されていますが、プロパティの［分割フォームの方向］でデータシートを下に変更できます。

参考この中の分割フォームについては、以下の記事で解説しています。

分割フォーム（単票フォームとデータシートを同時に表示）の作成と使い方

Accessでは、画面を2つに分け［単票フォーム］と［データシート］を同時に表示できる［分割フォーム］というのがあります。Access200 ...

ナビゲーション

また、［ナビゲーション］をクリックすると、以下のメニューが表示されます。

• 水平タブ
• 垂直タブ（左）
• 垂直タブ（右）
• 水平タブ（2レベル）
• 水平タブと垂直タブ（左）
• 水平タブと垂直タブ（右）

ナビゲーションフォームの作成については、以下の記事で解説しています。

ナビゲーションフォームの作成（フォーム・レポートをタブで切り替え）

ナビゲーションフォームとは、作成済のフォームやレポートをタブで切り替えて表示できるフォームのことです。 6種類のレイアウトが用意されています ...