Office 2019 Access 2019

レポートの詳細セクションに直線を引いて数行おきに罫線を設定する

投稿日:2022年7月5日 更新日:

Accessのレポートで罫線を数行おきに設定する方法です。

Accessには罫線という機能はありませんが、[詳細]セクションに[直線]を引くことで罫線を引いたように見せることができます。

印刷プレビューでは数行おきに表示されるように設定することができます。ちょっと工夫すると、点線と実線を組み合わせた罫線を表示することもできます。

点線と直線の罫線を設定したレポート

参考ここでのウィンドウの表示は[タブ付きドキュメント](既定)の設定にしています。

[タブ付きドキュメント]と[ウィンドウを重ねて表示する]の違い

Access2007以降、オブジェクトを表示すると、タブ付きウィンドウで表示されるようになっています。 昔からAccessを使用している方に ...

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レポートに罫線を設定

サンプルとして以下のようなレポートがあります。

レポートは、縞模様なしの設定にしています。

レポートを縞模様なしにするには

罫線を設定する前のレポート

このレポートに1行おきの罫線を設定します。

レポートをデザインビューで開き、[レポートデザイン]タブの[コントロール]グループにある[その他]ボタンをクリックします。

参考ウィンドウ幅が広い場合は、[その他]ボタンを押さなくても[線]を選択できると思います。

[レポートデザイン]タブの[コントロール]グループにある[その他]ボタン

[線]を選択します。

コントロールから[線]を選択

レポートの[詳細]セクションの下方でドラッグします。

[直線]のプロパティを表示します。キーボードから[F4]キーを押すとプロパティを表示できます。

この時、直線の名前を確認します。ここでは自動で[直線36]と付けられています。

直線の名前は変更することもできますが、ここではこのままにしておきます。

直線のプロパティで[高さ]が[0㎝]になっていない場合は、修正して[0cm]にします。

直線のプロパティ

レポートビューに切り替えて確認すると、以下のように1行ずつ罫線が設定されています。

Accessには罫線という機能はありませんが、[詳細]セクションに[直線]を引くことで罫線を引いたように見せることができるというわけです。

1行ずつ罫線が引かれたレポート

参考テーブルやクエリからレポートを作成する方法については、以下の記事を参照してください。

レポートウィザードを使って表形式のレポートを作成

Accessのテーブルやクエリを基にレポートウィザードを使用してレポートを作成することができます。 ウィザードで作成した後、より見やすいレポ ...

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レポートの[読み込み時]イベントで[一時変数の設定]

レポートのプロパティを開きます。

レポートの左上の■をクリックすると、レポートのプロパティになります。

プロパティシートで[レポート]が選択されていることを確認してください。

[イベント]タブの[読み込み時]の[ビルダー選択]ボタン[…]をクリックします。

[イベント]タブの[読み込み時]の[ビルダー選択]ボタン

[ビルダーの選択]ダイアログボックスが表示されますので、[マクロビルダー]を選択して[OK]ボタンをクリックします。

[ビルダーの選択]ダイアログボックスで[マクロビルダー]を選択

マクロビルダーが表示されます。

[新しいアクションの追加]の▼をクリックして、マクロアクションの一覧から[一時変数の設定]を選択します。

[アクションカタログ]から選択してマクロウィンドウへ追加する方法もあります。

マクロアクションの一覧から[一時変数の設定]を選択

一時変数の[名前]は、ここでは[line]とし、[式]には[1]を入力します。

一時変数の名前は何でもいいです。後で使いますので、ここで付けた一時変数の名前は憶えておいてください。

マクロアクション[一時変数の設定]の[名前]と[値]を入力

一時変数の名前について

[一時変数の設定]の[名前]のテキストボックスをポイントすると、以下のポップヒントが表示されます

名前

一時変数の名前です。構文 TempVars!MyVariableName を使って、マクロ内の式で名前により変数を参照できます。MyVariableName は、このマクロの引数で使った名前です。

[一時変数の設定]の[名前]のポップヒント

一時変数の名前は、自由に付けてかまいませんが、[@!&$.(ドット)]などの記号やスペースは使用できません。先頭文字に数字は使用できません。また、複数の変数を設定する場合、同じ名前にはできません。

マクロビルダーは、上書き保存して閉じます。

マクロビルダーの[上書き保存]と[閉じる]ボタン

プロパティの[読み込み時]には、[埋め込みマクロ]と表示されます。

設定後のプロパティ[読み込み時]

[詳細]セクションの[印刷時]イベントにマクロを設定

5行おきに罫線を表示させるようにしてみます。

今度は、[詳細]セクションのプロパティを表示します。

[詳細]と記されたバーをクリックすると、[詳細]セクションプロパティが表示されます。

[イベント]タブの[印刷時]の[ビルダー選択]ボタン[…]をクリックします。

[イベント]タブの[印刷時]の[ビルダー選択]ボタン

[ビルダーの選択]ダイアログボックスが表示されますので、[マクロビルダー]を選択して[OK]ボタンをクリックします。

[ビルダーの選択]ダイアログボックスで[マクロビルダー]を選択

[新しいアクションの追加]の▼をクリックして、マクロアクションの一覧から[If]を選択します。

マクロアクションの一覧から[If]を選択

[If]の条件式に以下のように入力します。これで、Mod演算子で割った答えが[0]かどうかをチェックできます。

[TempVars]![line] Mod 5=0

[Mod]の前後には、半角スペースを必ず入力します。

[If]の条件式

[If]の条件式を入力

テキストボックスに途中まで入力すると補助メニューが表示されますので、ダブルクリックするか、[Enter]キーを使って入力できます。

条件式での補助メニュー

すぐ下にある[新しいアクションの追加]の▼をクリックします。

少し下へスクロールすると、マクロアクション[プロパティの設定]がありますので選択します。

マクロアクション[プロパティの設定]を選択

[プロパティの設定]の[コントロール名]には、[直線36]と入力します。[詳細]セクションに引いた直線の名前です。

[プロパティ]は、▼ボタンをクリックして選択肢の中から[可視]を選択します。

[値]には、[True]と入力します。

True

入力が終わったら、[Elseの追加]をクリックします。

マクロアクション[プロパティの設定]

再度、マクロアクションの一覧から[プロパティの設定]を選択します。

[コントロール名]と[プロパティ]は同じ設定にして、[値]のみ[False]と入力します。

False

[Else]を選択して[プロパティの設定]

[If文の最後]の下にある[新しいアクション]で、[値の代入]を選択するのですが、マクロアクション[値の代入]は、[マクロデザイン]タブの[表示/非表示]グループにある[すべてのアクションを表示]をクリックしないと表示されません。

[マクロデザイン]タブの[すべてのアクションを表示]

[すべてのアクションを表示]をクリックして、一番下までスクロールすると、最後から4番目にあります。

[If文の最後]の下にある[新しいアクションの追加]で選択します。間違えないようにしてください。

マクロアクション[値の代入]

マクロアクション[値の代入]の[アイテム]には、以下のように入力します。

[TempVars]![line]

[式]には、以下のように入力します。

[TempVars]![line]+1

これで[詳細]セクションが表示されるごとに、一時変数の値が1ずつ増えるようになります。

[値の代入]の[アイテム]と[式]に入力

入力が終わったら、上書き保存して閉じます。

マクロビルダーの[上書き保存]と[閉じる]ボタン

設定後[詳細]セクションの[印刷時]には、[埋め込みマクロ]と表示されます。

設定後の[詳細]セクションの[印刷時]

設定後のレポートを[印刷プレビュー]で表示します。

[レポートデザイン]タブの[表示]から[印刷プレビュー]をクリックします。

[レポートデザイン]タブの[表示]から[印刷プレビュー]を選択

以下のように5行おきに罫線が表示されています。

5行おきに罫線が表示されたレポート

参考[レポートビュー]は、変わらず1行ずつ罫線が表示されます。印刷時には、5行おきの罫線になるということです。

罫線の間隔を変更する場合

罫線の間隔を変更する場合は、[詳細]セクションの[印刷時]イベントのマクロビルダーを表示しして修正します。

[詳細]セクションのプロパティ[イベント]タブの[印刷時]は[埋め込みマクロ]と表示されていますが、[…]をクリックすると表示できます。

[詳細]セクションのプロパティ[イベント]タブの[印刷時]

そして、以下のようにModの右側の[5]を変更したい間隔の数字に変更します。ここでは、[3]に修正します。

[TempVars]![line] Mod 3=0

[If]の条件式を変更

印刷プレビューで確認すると、以下のように3行おきの罫線になります。

3行おきの罫線になったレポート

罫線(直線)のスタイル変更

罫線(直線)のスタイルは、プロパティで変更できます。

[詳細]セクションの直線などはマウスで選択しようとすると、なかなか選択できないということがあります。

その場合は、プロパティの選択肢一覧から選択すると早いです。

プロパティの選択肢一覧

[直線36]のプロパティ[書式]タブの[境界線スタイル]、[境界線幅]、[境界線色]で変更します。

ここでは、以下のように設定します。

  • 境界線スタイル---点線2
  • 境界線幅---2ポイント
  • 境界線色---#C0504D

[直線36]のプロパティ[書式]タブ

レポートビューも、印刷プレビューも罫線のスタイルが変更されます。

直線のスタイル変更後のレポートビュー

直線のスタイル変更後の印刷プレビュー

レポートビューでは罫線を非表示にするには

レポートビューでは、罫線を非表示にしたい場合は、直線のプロパティで[可視]を[いいえ]に設定します。

レポートビューでは非表示になりますが、印刷プレビューでは、設定したとおりに数行おきに表示されます。

直線のプロパティで[可視]を[いいえ]に設定

実線と点線を組み合わせたレポートにするには

5行おきに直線、その他は点線にすることもできます。

ここでは、レポートビューは、罫線なしの設定にします。

点線の追加

コントロールから直線を選択して、[詳細]セクションにもう1本追加します。ここでは、[直線45]です。

プロパティで境界線スタイルを[点線1]にします。[可視]は[いいえ]にします。

[直線36]と[直線45]は重ねておきます。

[直線45]のプロパティ

[直線36]も[可視]は[いいえ]にします。

点線と直線が分かりやすくなるように、[境界線幅]を[2ポイント]にします。

[直線36]のプロパティ

[印刷時]イベントのマクロアクションを修正

[詳細]セクションのプロパティを開いて、[印刷時]の[…]をクリックします。

[詳細]セクションのプロパティ[印刷時]イベント

マクロアクションを以下のように修正します。

5で割った余りが0の場合は、直線36を表示して、直線45は非表示、その他は、直線36は非表示にして、直線45は表示するという内容になります。

マクロアクションの修正

レポートビューでは罫線なしですが、印刷プレビューを表示すると、以下のようになります。

点線と直線を組み合わせたレポート

参考以下の記事では、縞模様(背景色)の行数を変更する方法を解説しています。同じようにマクロアクション[一時変数の設定]を使用しています。

レポートを数行おきに色が異なる縞模様(背景色)にするには

Accessでレポートを作成すると、既定で1行おきに背景色が異なる縞模様になります。 背景色はプロパティで簡単に変更できますし、背景色なしに ...

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