Excelで作成したグラフに代替テキストを設定する方法です。
グラフに代替テキストがないと、アクセシビリティチェックで[グラフに代替テキストがありません]と指摘されます。
代替(だいたい)テキストとは何?と言う方は、代替テキストからお読みください。
この記事の目次
代替テキストのタイトル入力
グラフの代替テキストを入力する方法です。
Excel2016では、[グラフエリアの書式設定]作業ウィンドウを表示して入力できます。Excel2019以降はできません。
グラフエリアのショートカットメニューの[代替テキストの編集]をクリックすると、[代替テキスト]作業ウィンドウが表示され、すぐに入力ができます。
[グラフエリアの書式設定]作業ウィンドウから
グラフエリアで右クリックします。
ショートカットメニューの[グラフエリアの書式設定]をクリックします。
右側に[グラフエリアの書式設定]作業ウィンドウが現れます。
[サイズとプロパティ]をクリックします。
ここに[代替テキスト]がありますので、これをクリックして展開します。
代替テキストの[タイトル]の情報アイコンをポイントすると、以下のように表示されます。
タイトルと説明は、表、図表、画像、およびその他のオブジェクト内の情報をテキストで表した代替情報です。この情報は、オブジェクトを見たり理解するのに困難な、視覚障碍や認識障碍のある方にとって役立ちます。
タイトルはユーザーに対して読み上げられ、ユーザーが内容の説明を聞くかどうかの判断の基にもなります。
[代替テキスト]の[タイトル]のテキストボックスに入力します。
ここでは、「売上比較グラフ」と入力します。これで完了です。
[グラフエリアの書式設定]作業ウィンドウは閉じます。
参考グラフの各要素の名称と書式設定作業ウィンドウの表示などについては、以下の記事で解説しています。
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ショートカットメニューから表示
グラフエリアで右クリックして、ショートカットメニューから[代替テキストを表示]をクリックすると、[代替テキスト]作業ウィンドウが表示されます。
以前は、このコマンドはありませんでした。
[代替テキスト]作業ウィンドウが表示されます。
代替テキストとは
代替テキストを設定しても見た目は何も変化はありませんが、実はブックのアクセシビリティを高めています。
アクセシビリティチェックの実行
アクセシビリティチェックを実行する方法は、複数あります。
Backstageビューの[情報]-[アクセシビリティチェック]
[ファイル]タブをクリックしてBackstageビューを表示して、[情報]タブを見てみてください。
ここに[問題のチェック]というボタンがあり、クリックして展開すると[アクセシビリティチェック]というのがあります。
以下のように記されています。
アクセシビリティチェック
視覚に障碍のある方にとって読み取りにくい内容がブックに含まれていないかどうかをチェックします。
[校閲]タブの[アクセシビリティチェック]
[校閲]タブの[アクセシビリティ]グループに[アクセシビリティ]から[アクセシビリティチェック]をクリックします。
作業中にアクセシビリティを実行
Office2016のバージョン2109以降は、[Excelのオプション]ダイアログボックスの[アクセシビリティ]タブに[作業中にアクセシビリティチェックを実行し続ける]という設定項目があり、オンの場合は、ステータスバーに[アクセシビリティ:検討が必要です]のメッセージが表示されるようになっています。
ステータスバーの[アクセシビリティ:検討が必要です]をクリックしても、アクセシビリティチェックを実行できます。
グラフに代替テキストがない場合のアクセシビリティチェックの結果
グラフに代替テキストがないと、検査結果で「グラフに代替テキストがありません」と指摘されます。
[追加情報]には以下のように記されています。
そして、その下には[修正方法]も記されています。
この修正方法が上記で解説したものです。
修正が必要な理由
画像やその他のオブジェクトの代替テキストは、画面を見ることができないユーザーにとって非常に重要です。
スクリーンリーダーが代替テキストを読み上げるため、それが画像についての唯一の情報となります。
適切な代替テキストを設定すると、そのようなユーザーが画像を理解しやすくなります。
バージョンアップ後は[ユーザー補助アシスタント]
バージョンアップにより、アクセシビリティチェック後の作業ウィンドウが[ユーザー補助アシスタント]という名称に変わっています。
グラフの代替テキストがないと[メディアとイラスト]に[代替テキストなし]と表示されます。
[代替テキストなし]の箇所をクリックすると、以下のように代替テキストを入力するウィンドウになります。
下部にある[学習のヒント]をクリックすると、以下のように表示されます。
代替テキストを指定する
代替テキストとも呼ばれる画像の説明は、スクリーンリーダーに依存するユーザーにとって重要な役割を果たしています。説明が読み上げられ、ユーザーが画像にアクセスして内容を理解できるようになります。
重要な情報を持たない純粋に装飾的な画像については、”装飾的”とマークすることでスクリーンリーダーが適切にスキップし、アクセシビリティを向上させることができます。
[装飾としてマークする]というのがありますが、クリックしてもエラーは解除されません。変化なしです。(バージョン16.0.17928.20114)
Word2016でも同じです。
Excel2019以降は、[装飾としてマークする]をオンにするとエラーの解除ができます。
参考代替テキストは、グラフだけでなく、テーブルや図形、画像にも設定できます。
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Excel2019以降とMicrosoft 365のExcelの場合
Excel2019以降とMicrosoft 365のExcelでは、[グラフエリアの書式設定]作業ウィンドウの[サイズとプロパティ]を表示しても[代替テキスト]はありません。
以下の画像は、Excel2019(バージョン2201 ビルド 14827.20158)です。
Excel2019以降では、[書式]タブの[アクセシビリティ]グループの[代替テキスト]をクリックします。
または、グラフで右クリックしてショートカットメニューから[代替テキストを表示]をクリックします。
[代替テキスト]作業ウィンドウが表示されます。
Excel2019以降とMicrosoft 365のExcelには、[代替テキスト]作業ウィンドウに[装飾用にする]という設定項目があり、これをオンにするとエラーは非表示になります。
アクセシビリティの実行後に代替テキストを入力
アクセシビリティチェックを実行すると、[アクセシビリティ]タブが表示されます。
[名前]グループの[代替テキスト]をクリックしても[代替テキスト]作業ウィンドウが表示されます。
これは、Excel2016以降のすべてのバージョンで同じです。
Excel2016の場合は、[グラフエリアの書式設定]の[代替テキスト]と[代替テキスト]作業ウィンドウがあります。
入力すると、以下のように連動するようになっています。
アクセシビリティチェック後の[ユーザー補助アシスタント]も同じく連動します。
参考多くの人に公開するようなブックは、アクセシビリティチェックも実施して、ぜひアクセシビリティを高めたブックを作成して欲しいと思います。
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