Wordでは、文章内の強調したい文字列を括弧で括ることがあります。
しかし、完成した後、括弧と括弧内の文字列を含んで書式設定をしたり、削除したい場合もあると思います。
その場合は、[置換]ダイアログボックスを使うと便利です。
括弧のみを削除したり、括弧内の文字列のみに書式設定する方法も紹介します。
括弧のみに書式設定
サンプルとして以下のような文章があり、全角カギ括弧を付けた文字列が4個あります。
文章内のカギ括弧のみに書式設定します。
キーボードから[Ctrl]+[H]を押して、
[検索と置換]ダイアログボックスの[置換]タブを表示します。
[オプション]をクリックして、[ワイルドカードを使用する]のチェックボックスをオンにします。
[ワイルドカードを使用する]をオンにすることで、ワイルドカード以外にも正規表現を使用して検索できるようになります。
Microsoft Outlookも同じです。
そして、[検索する文字列]のテキストボックスに以下を入力します。
文章内に使用している全角カギ括弧を半角角括弧で囲みます。
半角角括弧で囲むと中の文字のいずれか1つにヒットします。
[置換後の文字列]のテキストボックスにカーソルを置いて、[書式]をクリックします。
メニューから[フォント]をクリックします。
[置換後の文字]ダイアログボックスが表示されます。
ここでは、[フォントの色]で[赤]、[スタイル]で[太字]を指定して[OK]ボタンをクリックします。
[置換後の文字列]の[書式]に[フォント:太字,フォントの色:赤]と表示されているのを確認して[すべて置換]をクリックします。
完了のメッセージウィンドウが表示され、置換した文字列の個数も表示されます。
[OK]ボタンをクリックして閉じます。
[検索と置換]ダイアログボックスも閉じます。
置換後の文章です。文章内の全角カギ括弧がすべて赤い太字になっています。
半角括弧を使用している文章の場合
括弧には、さまざまな種類があります。
文章内に使用している括弧が半角括弧の場合の方法です。
[オプション]の[ワイルドカードを使用する]のチェックボックスをオンにして、[置換]タブの[検索する文字列]のテキストボックスに以下のように入力します。
半角括弧の左に半角の[\]を付けます。[\]を付けることで、右側の文字は、そのまま検索されるようになります。
[置換後の文字列]の書式は、[太字]と[赤]を指定します。
以下のような結果になります。
括弧のみを削除
文章内の括弧のみを削除したい場合は、[置換後の文字列]のテキストボックスを空白にして置換します。
この場合も文章内の括弧が半角括弧の場合は、半角括弧の左に半角[\]を付けます。
文章内のすべての全角カギ括弧が削除され、以下のような結果になります。
参考[検索する文字列]や[置換後の文字列]に書式が残っている場合は、[置換]タブの[書式の削除]を先にクリックして削除します。
括弧を含めた文字列に書式設定
括弧を含めた文字列にまとめて書式設定したい場合の方法です。
[検索と置換]ダイアログボックスの[置換]タブにある[検索文字列]に以下のように入力します。
括弧内の文字数は一定ではないので、全角カギ括弧の中に半角のアスタリスク[*]を入力します。
他の設定は、括弧のみに書式設定で解説したのと同じように設定します。
「*」
完了のメッセージウィンドウが表示され、置換した文字列の個数も表示されます。
[OK]ボタンをクリックして閉じます。
[検索と置換]ダイアログボックスも閉じます。
結果は、以下のようになります。
参考文章内の括弧が半角括弧の場合は、[検索する文字列]は以下のように半角括弧の左に半角の[\]を入力します。
\(*\)
括弧を含めた文字列を削除
括弧を含めた文字列を一括削除する場合は、[置換後の文字列]のテキストボックスを空白のままにして置換します。
全角カギ括弧と中の文字列が削除され、以下のようになります。
参考ルビを振った文章をコピー&ペーストすると、漢字の右側に半角括弧とその中にルビの文字列が表示されます。なので、文章内のルビを一括削除したい場合は、ルビが設定された文章をコピー&ペーストして、半角括弧を含めた文字列を削除するとルビのない文章になります。
以下の記事で解説しています。
-
同じ文字列にルビを一括設定する方法とすべてのルビの一括解除
文字列にルビを付けたい場合は、[ホーム]タブの[ルビ]をクリックして[ルビ]ダイアログボックスでふりがなの内容や書式などを設定します。 同じ ...
括弧内の文字列のみに書式設定
括弧内の文字列のみに書式設定したい場合もあると思います。
一度、括弧を含んだ文字列に書式を設定した後、括弧のみを検索して書式を戻します。
[置換]タブにある[検索文字列]に以下のように入力します。
「*」
全角カギ括弧の中に半角のアスタリスク[*]を入力します。
[置換後の文字列]にカーソルを置いて、[書式]をクリックして任意の書式を指定します。
[すべて置換]をクリックします。
文章内に半角括弧を使用している場合は、括弧の左に半角の[\]を付けて検索すると、ヒットします。
結果、以下のようになります。
この後、括弧のみを検索して書式を置換します。
[ワイルドカードを使用する]のチェックボックスはオンのままにします。
[検索する文字列]の検索ボックスに以下を入力します。半角角括弧で全角カギ括弧を括ります。
文章内に半角括弧を使用している場合は、括弧の左に半角の[\]を付けて検索すると、ヒットします。
[置換後の文字列]のテキストボックス内にカーソルを置いて、[書式]から[フォント]をクリックします。
[置換後の文字]ダイアログボックスので[フォントの色]を[自動]と[スタイル]を[標準]にします。
[置換後の文字列]に書式が指定されていることを確認して、[すべて置換]をクリックします。
完了メッセージが表示され、結果、以下のようになります。
括弧内の文字列のみを削除
[オプション]の[ワイルドカードを使用する]のチェックボックスをオンにします。
括弧を残して、括弧内の文字列のみを削除するには、[検索する文字列]のテキストボックスに以下を入力します。
「*」
[置換後の文字列]のテキストボックスには、以下を入力して、[すべて置換]をクリックします。
「」
完了メッセージが表示され、結果、以下のようになります。
参考文章内の括弧が半角括弧の場合は、[検索する文字列]は以下のように半角括弧の左に半角の[\]を入力します。
\(*\)
括弧内の文字列を隠し文字にするには
括弧内の文字列のみを[隠し文字]にすることもできます。
一度、括弧を含めた文字列に[隠し文字]の設定をして、その後、括弧のみを検索して[隠し文字]の設定をオフにします。
[置換]タブの[オプション]をクリックして[ワイルドカードを使用する]のチェックボックスをオンします。
[検索する文字列]のテキストボックスに以下を入力します。
文章内に半角括弧を使用している場合は、括弧の左に半角の[\]を付けて検索すると、ヒットします。
「*」
そして、[置換後の文字列]のテキストボックス内にカーソルを置いて、[書式]から[フォント]をクリックします。
[置換後の文字]ダイアログボックスが表示されますので、[隠し文字]のチェックボックスをオンにして[OK]ボタンをクリックします。
[置換後の文字列]の[書式]に[隠し文字]と表示されているのを確認して[すべて置換]をクリックします。
以下は、[編集記号の表示/非表示]をクリックして編集記号をオンにしている状態です。隠し文字の下部には点線が表示されています。
編集記号をオフにすると、非表示になります。
次に、括弧のみを選択して、隠し文字の書式をオフにします。
括弧のみを選択するので、[検索する文字列]には以下を入力します。半角角括弧で全角カギ括弧を括ります。
[ワイルドカードを使用する]のチェックボックスはオンにします。
[置換後の文字列]のテキストボックスにカーソルを置きます。
[書式]の[フォント]をクリックすると、[置換後の文字]ダイアログボックスが表示されますので[隠し文字]のチェックボックスをオフにします。
[置換後の文字列]の書式に[隠し文字(なし)]と表示されているのを確認して[すべて置換]をクリックします。
完了のメッセージウィンドウが表示され、置換した文字列の個数も表示されます。
[OK]ボタンをクリックして閉じます。
[検索と置換]ダイアログボックスも閉じます。
結果、以下のようになります。[編集記号の表示/非表示]がオンの状態です。
[ホーム]タブの[段落]グループにある[編集記号の表示/非表示]をクリックしてオフにすると、[隠し文字]は非表示になります。
参考既定では、隠し文字は印刷されませんが、[Wordのオプション]で設定を変更すると[隠し文字]を印刷することができます。
[隠し文字]については、以下の記事で解説しています。隠し文字は、[行内]に設定した画像に対しても有効です。
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