Excelでマクロを作成するときは、通常、作業中のブックに保存しますが、個人用マクロブックを作成すると、Excel起動時に常に起動されるので、どのブックでも使用できるようになります。
個人用マクロブックは、Excel起動時に起動されますが、非表示となっているので意識することはありません。
この記事の目次
マクロの記録
[開発]タブの[コード]グループにある[マクロの記録]をクリックします。
[開発]タブが表示されていない場合は、開発タブの表示を参照してください。
マクロの記録を使って保存する場合は、[マクロの保存先]で[個人用マクロブック]に切り替えます。
[マクロ名]は、わかりやすい名前を付けておきます。
ここでは、[Ctrl]+[Shift]+[*]を押して、表全体を(アクティブセル領域)を選択した後、[Delete]キーを押して範囲選択を削除する動作を記録しました。
[開発]タブの[コード]グループにある[記録終了]ボタンをクリックします。
参考テンキーの*を使用する場合は、[Shift]キーは不要です。
[記録終了]ボタンは、ステータスバーの左下にもあります。
[表示]タブの[マクロ]コマンド
マクロのコマンドは、[表示]タブにもあります。[開発]タブからのほうが操作しやすいとは思いますが、[開発]タブを表示したくない場合は、[表示]タブから操作してください。
コードの編集
キーボードから[Alt]+[F11]を押してVBEを表示します。
または、[開発]タブの[コード]グループにある[Visual Basic]をクリックします。
下のようにPERSONAL.XLSBが作成されて、コードが記録されているのがわかります。
ここで編集することも可能です。
右上の[閉じる]ボタンでVBEを閉じます。
個人用マクロブックの保存
個人用マクロブックを保存するには、ブックを閉じる時に表示される以下のメッセージウィンドウで、必ず[保存]ボタンをクリックします。
個人用マクロブックの変更を保存しますか?[はい]をクリックすると、次にMicrosoft Excelを起動したときにマクロが有効になります。
個人用マクロブックの実行
新規ワークブックを起動して、[開発]タブのマクロをクリックすると、
下のように[マクロ]ダイアログボックスが表示されるので、目的のマクロを選択して[実行]ボタンを押すとマクロが動作します。
クイックアクセスツールバーに登録
それでも、もっとスマートに操作するために、クイックアクセスツールバーにマクロを登録しておくといいです。
クイックアクセスツールバーの▼ボタンをクリックして、[その他のコマンド]をクリックします。
[Excelのオプション]の[クイックアクセスツールバー]が表示されます。
[コマンドの選択]で[マクロ]を選択すると、個人用マクロブックが現れますので、選択して中央の[追加]ボタンをクリックします。
右側にマクロが表示されたことを確認して、[OK]ボタンをクリックします。
クイックアクセスツールバーにマクロが追加されています。
参考マクロのアイコンと表示名は、[変更]ボタンをクリックして[ボタンの変更]ダイアログボックスで変更できます。
クイックアクセスツールバーについては、以下の記事で詳細に解説しています。
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クイックアクセスツールバーの表示/非表示設定と位置の変更
Office2021とMicrosoft 365のOfficeでは、クイックアクセスツールバーの非表示設定ができるようになっています。 また ...
[Alt]キーと[数字]キーでコマンドを実行
クイックアクセスツールバーに登録したボタンは、[Alt]キーを押してアクセスキーを表示すると、数字が割り当てられていることが分かります。
[Alt]→[数字]キーでコマンドを実行できます。数字は、割り当てられた順番によって異なります。
以下の画像は、Excel2010です。
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[Alt]または[F10]キーを使ってキーヒントを表示してリボンへアクセス
[Alt]キーや[F10]キーを使って、キー操作でタブを切り替えたり、目的のコマンドへ移動したりすることができます。 まず、[Alt]キーを ...
参考マクロをリボンに表示することもできます。
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自作のマクロをクイックアクセスツールバーやリボンに登録するには
Office2010では、リボンのカスタマイズができるようになりました。 Excelのマクロやアドインは、これまでクイックアクセスツールバー ...
PERSONAL.XLSBを表示してマクロを編集するには
また、PERSONAL.XLSBを表示したい場合は、[表示]タブの[ウィンドウ]グループにある[再表示]をクリックします。
[ウィンドウの再表示]ウィンドウが表示されるので、[PERSONAL.XLSB]を選択して[OK]ボタンをクリックします。
[PERSONAL.XLSB]が表示されます。
ここでVBEを開いて編集することもできます。
VBEを開くショートカットキーは、[Alt]+[F11]です。
ブックを閉じる前には、必ず[表示しない]をクリックしておいてください。
そうしないと、次回から常にPERSONAL.XLSBが表示されるようになりますので、気を付けてください。
参考マクロの記録ダイアログボックスも一度、[個人用マクロブック]を選択すると、以降はそのまま継承されるので、[作業中のブック]を選択し直しておいたほうがいいと思います。
既存のマクロを個人用マクロブックとして保存するには
既存のマクロを個人用マクロブックとして保存する場合は、[名前を付けて保存]ダイアログボックスで、[ファイルの種類]から[Excelバイナリブック(*.xlsb)]を選択します。
[F12]キーで[名前を付けて保存]ダイアログボックスを表示できます。
そして、保存先は、以下を指定します。
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Microsoft\Excel\XLSTART
[AppData]フォルダーなどは隠しフォルダーになっています。隠しファイルを表示する方法は、以下の記事で解説しています。
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拡張子の表示や隠しファイルの設定はエクスプローラーの[表示]タブから
Windows 10でファイル名拡張子の表示は、エクスプローラーの[表示]タブから設定することができます。 Windows 8や8.1も同じ ...
ファイル名は[PERSONAL]とします。
PERSONAL
参考マクロを他のブックで使用できるようにするには、アドインとして保存する方法もあります。
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マクロを[Excelアドイン]として保存して他のブックで使用・配布する
面倒な作業であっても、少しでも効率よくミスがないように行いたいですね。 作業を自動化するマクロを作成しても、マクロはそのブックでしか動作しま ...
マクロのセキュリティの設定については、以下の記事を参照してください。
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[開発]タブの表示とマクロのセキュリティ設定
Office2010から[開発]タブを表示する方法が変わりました。 Office2010以降は[オプション]ダイアログボックスの[リボンのユ ...
また、Excelの起動時に書式設定したテンプレートを新規ブックにしたい場合も、[XLSTART]フォルダーへ保存します。
作成方法については、以下の記事で解説しています。
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新規ブックとシートを開くときに書式設定したものを自動的に開くには
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