Excelのピボットテーブルの元データを変更(または削除)してピボットテーブルを更新すると、テーブルの内容には問題ないのですが、フィルターリストには削除したデータが表示されます。
この現象は、ちょっと気持ち悪いですね。また、フィルターリストが多いと選択ミスにも繋がりかねません。
[ピボットテーブルオプション]ダイアログボックスの設定で簡単に解決できます。
ピボットテーブルの作成
ここでは、以下のようなサンプルデータをもとにピボットテーブルを作成します。
[挿入]タブの[テーブル]グループにある[ピボットテーブル]をクリックします。
ピボットテーブル
複雑なデータをピボットテーブルに簡単に配置し、集計します。
参考:値をダブルクリックすると、どの値が合計に含まれるかを確認することができます。
[テーブルまたは範囲からのピボットテーブル]ダイアログボックスが表示されます。
データ範囲は自動で取得されます。
ピボットテーブルを配置する場所は、既定のまま[新規ワークシート]を選択して[OK]ボタンをクリックします。
新規シートに以下のような空のピボットテーブルが作成されます。
右側の[ピボットテーブルのフィールド]作業ウィンドウのフィールドセクションからフィールドリストをエリアセクションにドラッグして配置します。
ここでは、簡単に営業所ごとの売り上げを集計します。
フィールドリストの[営業所]を[行エリア]に、[売上額]を[値エリア]にドラッグします。
ピボットテーブルのフィルター
作成したピボットテーブルの[行ラベル]のフィルターボタン▼をクリックして、データを絞り込むことができます。
たとえば、[第一営業部]と[第二営業部]のチェックボックスをオンにして[OK]ボタンをクリックすると、
チェックした項目のデータのみが表示されます。
参考ピボットテーブルでフィルターボタンをクリックしてデータを絞ると、[ピボットテーブルのフィールド]にもフィルターのマークが表示されます。
クリックすると同じフィルターの一覧が表示されます。
元データの変更とピボットテーブルの更新
営業所名が[第一営業部]が[東京第一営業部]、[第二営業部]が[東京第二営業部]と変更されたとします。
元データを修正します。以下は、修正後のデータです。
ピボットテーブルの更新
ピボットテーブルのデータを更新します。
ピボットテーブル内のセルで右クリックして、ショートカットメユーから[更新]をクリックします。
ピボットテーブルのデータ更新されます。
参考ピボットテーブルの更新は、[ピボットテーブルの分析]タブの[データ]グループの[更新]をクリックしても実行できます。
更新
アクティブなセルに接続されているソースから、最新のデータを取得します。
ポップヒントにもありますが、ショートカットキーは[Alt]+[F5]です。
ピボットテーブル更新後のフィルターリスト
ピボットテーブルは更新されたのですが、フィルターボタンをクリックすると、フィルターリストには、以下のように変更前のデータが表示されています。
当たり前ですが、フィルターリストで変更前の項目を選択しても、
データは抽出されません。
ただ、削除したデータや変更したデータが多い場合、フィルターリストの数も多くなり選択ミスに繋がりかねません。
この変更前のデータを非表示にする方法です。
ピボットテーブルのオプションで設定
[ピボットテーブルオプション]ダイアログボックスで設定します。
[ピボットテーブル分析]タブの[ピボットテーブル]をクリックして[オプション]をクリックします。
または、ピボットテーブル内で右クリックして、ショートカットメニューから[ピボットテーブルオプション]をクリックします。
[ピボットテーブルオプション]ダイアログボックスが表示されます。
[データ]タブの[データソースから削除されたアイテムの保持]にある[1フィールドに保持するアイテム数]を[なし]にして、[OK]ボタンをクリックします。
既定は、[自動]になっています。
そして、ピボットテーブルを更新します。
必ず実行します。更新しないと反映されませんので、気をつけてください。
ここではピボットテーブル内で右クリックして、ショートカットメニューから[更新]をクリックします。
行ラベルのフィルターボタンをクリックしてみると、変更前のデータは消えています。
参考[ピボットテーブルオプション]ダイアログボックスの設定を[自動]にしても、戻すことはできません。
ピボットテーブルの行列の順番は、ドラッグでも変更できますが、表示順は常に一定にしたいのであれば、順番を[ユーザー設定リスト]に登録しておくと便利です。
以下の記事で解説しています。
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ピボットテーブルでは、フィルターの代わりにスライサーを使用することもあると思います。
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スライサーとは、ピボットテーブルとピボットグラフの絞り込み機能です。 スライサーでは複数のピボットテーブル、ピボットグラフでフィルター条件を ...
スライサーも元データを削除、または変更しても、既定のままではスライサーに表示されます。
以下は、ピボットテーブルの元データを更新した後、ピボットテーブルのオプションの設定をする前の状態です。
[ピボットテーブル分析]タブの[フィルター]グループにある[スライサーの挿入]をクリックします。
スライサーの挿入
スライサーを使って、データのフィルター処理を視覚的に実行します。
スライサーを使うと、テーブルやピボットテーブル、ピボットグラフ、キューブ関数のフィルター処理が速くなり、簡単になります。
[スライサーの挿入]ダイアログボックスが表示されます。
[営業所]のチェックボックスをオンにして[OK]ボタンをクリックします。
スライサーには、変更前のデータが表示されています。
スライサーの表示設定から、削除されたデータを表示しないという設定もできますが、ピボットテーブルのオプションの設定を変更して更新すれば、スライサーのアイテムには削除したデータは表示されません。
以下は、[ピボットテーブルオプション]で[1フィールドに保持するアイテム数]を[なし]に設定後、ピボットテーブルを更新したときのスライサーです。
スライサーの表示設定
スライサーを選択して、[スライサー]タブの[スライサー]グループにある[スライサーの表示設定]をクリックして、[スライサーの設定]ダイアログボックスを開いてみます。
[データソースから削除されたアイテムを表示する]はオンになっていますが、[ピボットテーブルのオプション]で設定するとスライサーには表示されなくなります。
反対にデータ更新後、[スライサーの設定]ダイアログボックスで[データソースから削除されたアイテムを表示する]のチェックボックスををオフにすると、スライサーには削除されたアイテムは表示されなくなりますが、ピボットテーブルのフィルターリストには、削除されたデータは表示されたままです。
ピボットテーブルのフィルターリストから削除されたデータを非表示にするには、ピボットテーブルのオプションで設定する必要があるということですね。
参考スライサーの表示設定については、以下の記事で詳細に解説しています。
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