Excelでは、セル範囲に名前を定義しておくと、関数の引数に名前を利用することができます。
定義された名前は、[数式]タブの[数式で使用]ボタンから簡単に挿入することができます。
サンプル表の確認
ここでは、下の表をもとに製品コードが[ABB-1]の売上数量を求めたいと思います。
セル範囲に名前を定義
まず、準備としてセル範囲に名前を定義します。
セル[D2]からセル[D27]までを選択して(タイトルは含めません)、[数式]タブの[定義された名前]グループにある[名前の定義]をクリックします。
名前の定義
名前を定義して適用します。
[新しい名前]ダイアログボックスが表示されます。
参照範囲が間違ってないか確認して、[名前]のテキストボックスに[製品コード]と入力します。
[OK]ボタンをクリックして閉じます。
名前は、自動的に入力されますが、その名前でいいかはご自身で判断してください。
ワークシートの左上の[名前ボックス]に[製品コード]と表示されていることを確認してください。
今度は同じように数量のセル範囲に名前を定義します。
セル[F2]からセル[F27]までを選択して、[数式]タブの[名前の定義]をクリックして、今度は[名前]のテキストボックスに[数量]と入力します。
左上の名前ボックスに[数量]と表示されていると思います。
参考範囲選択して名前を自動生成することもできます。[数式]タブの[定義された名前]グループにある[選択範囲から作成]をクリックします。
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選択範囲から名前を自動生成(Excel2007)
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名前定義の確認
ワークシートの左上の名前ボックスの▼ボタンをクリックしてみてください。
セル範囲に定義した名前が表示されるはずです。
[製品コード]をクリックすると、定義したセル範囲が選択されます。
[数式]タブの[数式で使用]ボタンをクリックしても、セル範囲に付けた名前が表示されます。
参考名前を削除する場合は、[名前の管理]ダイアログボックスで行いますが、テーブルは範囲に変更しないと[名前の管理]ダイアログボックスから消すことはできません。
名前の管理ダイアログボックスを表示するショートカットキーは、[Ctrl]+[F3]です。以下の記事で解説しています。
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数式で使用している名前を間違って削除すると、名前を使用した数式のセルに[#NAME?]と表示されますので気を付けてください。
SUMIF関数で名前を使用
SUMIF関数を使って、製品コード[ABB-1]の売上数量を求めます。
セル[I2]には、[ABB-1]と入力しておきます。
セル[J2]をアクティブにした状態で、[数式]タブの[数学/三角]をクリックします。
[SUMIF]を探してクリックします。
SUMIF関数のポップヒントには、下のように記されています。
SUMIF(範囲,検索条件,合計範囲)
指定された検索条件に一致するセルの値を合計します。
[関数の引数]ダイアログボックスが表示されます。
[範囲]のテキストボックスをクリックします。
[数式]タブの[数式で使用]をクリックして、[製品コード]をクリックします。
クリックするだけで、[範囲]に入力されます。
[検索条件]のテキストボックスをクリックして、今度は、セル[I2]をクリックします。
[検索条件]には、[I2]と入力されます。
[合計範囲]のテキストボックスをクリックして、[数式]タブの[数式で使用]をクリックして[数量]をクリックします。
[OK]ボタンをクリックします。
セル[J2]には、製品コード[ABB-1]の[合計数量]が表示されます。
参考セル範囲に名前を定義しておくと、関数で何度も同じ範囲を使ったりするときに効率よく入力することができますし、間違いも少なくなると思います。
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