Excel 2024

二重ドーナツグラフの作成(表のつくりによる異なる2つの方法)

Excelで[二重ドーナツグラフ]を作成する際、表のつくりによって手順が変わります。

1つの表で完結する場合は範囲選択するだけで作成できますが、表が別々に分かれていても工夫すれば同様のグラフが作成できます。

この記事では、表のつくりに応じた2つの作成方法を解説します。

二重ドーナツグラフ

二重ドーナツグラフとは

二重ドーナツグラフは、内側と外側の2つの系列を同時に表示できるグラフのことです。

グラフの種類には直接[二重ドーナツグラフ]という項目はありませんが、表の作り方を工夫すれば、範囲選択だけで簡単に作成できます。

さらに、データが1つの表にまとまっていない場合でも作成する方法があります。

1つの表から二重ドーナツグラフを作成する方法

製品名と売り上げ、販売形態が1つにまとまっている表で二重ドーナツグラフを作成する方法です。

グラフの元になる表について

次のような表であれば、簡単に二重ドーナツグラフを作成できます。

売り上げ合計は、製品別と販売形態で別の列になっていれば、Excelが系列として認識できます。

二重ドーナツグラフに適した表

コンパクトにまとめたいかもしれませんが、売り上げ列が1つしかない場合は作成できません。必ず、売り上げの列は別の列にしておく必要があります。

この表では、Excelが系列を正しく認識できません。

二重ドーナツグラフに適さない表

売り上げ列が別であればよいので、以下のような表でも問題ありません。

二重ドーナツグラフに適した表

ただし、以下のように販売形態と製品名が別の系列となっている表も、二重ドーナツグラフは作成できません。

系列は1つの列にまとまっている必要があります。

二重ドーナツグラフに適さない表

参考売上などの数値列が別々に分かれていることと、系列が1つの列にまとまっているかどうかが、二重ドーナツグラフ作成のポイントになります。この表のつくり方さえ押さえておけば、スムーズに二重ドーナツグラフを作成できます。

ドーナツグラフの作成

データ元になる範囲を選択します。

ここでは、セル[B1]からセル[D10]になります。

そして、[挿入]タブの[グラフ]グループにある[円またはドーナツグラフの挿入]をクリックして、メニューから[ドーナツ]を選択します。

[挿入]タブの[グラフ]グループにある[円またはドーナツグラフの挿入]-[ドーナツ]

これだけで二重ドーナツグラフになります。

二重ドーナツグラフの穴の大きさなどの設定については、ドーナツグラフを見やすくするためにはを参照してください。

作成した二重ドーナツグラフ

2つの表から二重ドーナツグラフを作成する方法

別々の表から二重ドーナツグラフを作成することもできます。

どうしても表のつくりを変えられない理由がある場合は、こちらの方法で作成してみてください。

2つの表

まず、製品別の売上表を元にドーナツグラフを作成します。

セル[B2]からセル[C8]を選択して、[挿入]タブの[グラフ]グループにある[円またはドーナツグラフの挿入]から[ドーナツ]をクリックします。

[挿入]タブの[グラフ]グループにある[円またはドーナツグラフの挿入]-[ドーナツ]

製品別のドーナツグラフが作成されます。

製品別のドーナツグラフ

次に販売形態の表を選択します。

ここでは、セル[E2]からセル[F4]です。ショートカットキー[Ctrl]+[C]や、ショートカットメニューからコピーします。

販売形態の表を選択してコピー

グラフエリアを選択して、貼り付けします。

ショートカットキー[Ctrl]+[V]を使ったり、ショートカットメニューから[貼り付け]を選択します。

ショートカットメニューの[貼り付け]

以下のように二重ドーナツグラフになります。

二重ドーナツグラフの穴の大きさなどの設定については、ドーナツグラフを見やすくするためにはを参照してください。

2つの表から二重ドーナツグラフを作成

ドーナツグラフを見やすくするためには

作成した二重ドーナツグラフを見やすくするためカスタマイズしていきましょう。

分かりやすくするために、ここでは[グラフタイトル]と[凡例]は削除しておきます。

選択してキーボードから[Delete]キーを押すと削除できます。

[グラフタイトル]と[凡例]を削除した二重ドーナツグラフ

ドーナツの穴の大きさを変更

ドーナツを選んで右クリックします。内側でも外側でも、どちらのドーナツを選んでもOKです。

ショートカットメニューから[データ系列の書式設定]をクリックします。

ショートカットメニューの[データ系列の書式設定]

[データ系列の書式設定]作業ウィンドウが表示されますので、[系列のオプション]をクリックします。

[データ系列の書式設定]作業ウィンドウの[系列のオプション]

[ドーナツの穴の大きさ]を任意の大きさにします。ここでは、[30%]にします。

[系列のオプション]で[ドーナツの穴の大きさ]を指定

参考[ドーナツの穴の大きさ]を[0%]にすると、内側のドーナツは円グラフになります。

[ドーナツの穴の大きさ]を[0%]にしたグラフ

ドーナツの穴の大きさを[0%]にできるようになったのは、Excel 2013からです。

二重ドーナツグラフの作成(Excel 2013)

ラベルに分類名を表示

グラフ右上にある[グラフ要素]をクリックして、[データラベル]の[>]をクリックして[その他のオプション]をクリックします。

[グラフ要素]をクリックして、[データラベル]-[その他のオプション]

[データラベルの書式設定]の[ラベルオプション]が表示されます。

[ラベルオプション]をクリックして、[分類名]を選択します。

[ラベルオプション]で[分類名]を選択

同じように、外側のドーナツを選択して、[ラベルオプション]から[分類名]を選択します。

外側のドーナツで[分類名]を選択して表示

後は、系列の色を揃えると、直感的に見やすくなります。

ドーナツを選択し、色を変更したい系列で再度クリックすると1つの系列を選択できます。

[塗りつぶしと線]の[塗りつぶし(単色)]を選択して、色からカラーパレットを表示して任意の色を指定します。

[系列のオプション]の[塗りつぶし(単色)]

以下のような配色にすると、分かりやすくなると思います。

塗りつぶしで色分けした二重ドーナツグラフ

参考ラベルの文字の色を変更するときは、[文字のオプション]で設定します。

[データラベルの書式設定]の[文字のオプション]

[文字のオプション]を選択した状態で、セルを選択し、その後 グラフを選択すると、データ要素の書式設定は[グラフのオプション]が選択されますが、内容は[文字のオプション]となります。

[文字のオプション]をクリックしてから、[グラフのオプション]をクリックすると正常になります。

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2つの表から作成した二重ドーナツグラフの外側のラベルオプション

2つの表から作成した二重ドーナツグラフで外側のドーナツに[分類名]を選択すると、製品名の系列名が表示されてしまいます。

2つの表から作成した二重ドーナツグラフの外側ドーナツの分類名

修正方法です。

ラベルオプションの[分類名]のチェックボックスをオフして、[セルの値]をオンにします。

[データラベル範囲]ダイアログボックスが表示されますので、表示したいセル範囲を指定します。

ここでは、セル[E3]からセル[E4]です。

確認したら、[OK]ボタンをクリックします。

[[ラベルオプション]の[セルの値]-[データラベル範囲]ダイアログボックス

以下のように、表示したいラベルになります。

外側のドーナツでラベルを変更した二重ドーナツグラフ

内側と外側のドーナツを入れ替えたグラフの作成

二重ドーナツグラフでは、内側と外側のリングは系列の順番で決まります。

そのため、表のつくりを変えて系列の順序を入れ替えると、内側が販売形態で、外側が製品別として表示することができます。

内側と外側のドーナツを入れ替えたグラフの作成

サンバーストグラフとの違い

Excel 2016以降には、[サンバーストグラフ]という新しいグラフが標準で搭載されています。

サンバーストグラフは見た目が二重ドーナツグラフに似ていますが、仕組みは異なります。

サンバーストグラフ

サンバーストグラフでは、内側の円が上位カテゴリ、外側の円が下位カテゴリとして固定されていて、内外を入れ替えることはできません。

また、データは階層構造に基づいて配置されるため、表の並び順どおりには表示されない場合があります。

そのため、並び順などを自由にコントロールしたい場合は二重ドーナツグラフを使い、階層構造を直感的に見せたい場合はサンバーストグラフを使うといった使い分けが有効です。

サンバーストグラフの作成については、以下の記事で解説しています。同じデータで解説していますので、比較すると分かりやすいと思います。

以下の記事内でもドーナツグラフとサンバーストグラフの違いについて記しています。

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