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箱ひげ図を使ってデータのばらつき具合を視覚化する

投稿日:2024年5月17日 更新日:

データのばらつきの範囲や平均値、中央値、最小値、最大値などの基本的な統計結果を視覚化したい場合は、箱ひげ図が便利です。

箱ひげ図は、文字通り[箱]と[ひげ]と呼ばれる線を使って表します。

箱ひげ図は、Excel2016以降のバージョンで作成できます。

箱ひげ図

参考Excel2016で追加された5個の新しいグラフについては、以下の記事で解説しています。

Office2016以降の新しいグラフと従来のグラフとの相違点

Office2016では、以下の5個の新しいグラフが追加されています。 ツリーマップ サンバースト ヒストグラム 箱ひげ図 ウォーターフォー ...

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箱ひげ図の作成

ここでは、国語と英語の試験結果をもとに箱ひげ図を作成します。

箱ひげ図の元データ

まず、セル範囲を選択します。ここでは、セル[B2]からセル[C12]を選択します。

範囲選択

[挿入]タブの[グラフ]グループにある[統計グラフの挿入]から[箱ひげ図]をクリックします。

箱ひげ図

この種類のグラフの使用目的:
・データセット内の変化量を示します。

使用ケース:
・複数のデータセットがあり、何らかの形で相互に関係している場合に使います。

[挿入]タブの[グラフ]グループにある[統計グラフの挿入]から[箱ひげ図]

以下のようなグラフが作成されます。

箱ひげ図の挿入

データラベルと凡例を表示

グラフ右上の[グラフ要素]をクリックして、[データラベル]と[凡例]のチェックボックスをオンにします。

位置は既定のまま、[データラベル]は[右]、[凡例]は[上]にしています。

グラフ要素の[データラベル]と[凡例]

スタイルの変更

データラベルが見辛いので、スタイルを変更します。

グラフ系列をクリックして、[書式]タブの[図形のスタイル]グループにある[図形の塗りつぶし]から薄い青に変更します。

[書式]タブの[図形のスタイル]グループにある[図形の塗りつぶし]

[英語]のスタイルも薄い色に変更すると、以下のようになります。

図形の塗りつぶしを変更した箱ひげ図

グラフタイトルの変更

グラフタイトルを変更します。

横軸に表示されている[1] は不要なので、選択して[Delete]キーで削除します。

箱ひげ図のタイトル

参考これまでのグラフであれば、グラフタイトルはセル参照で表示することもできたのですが、新グラフではできないようです。

Excelでグラフタイトルのセル参照ができない

また、箱ひげ図の場合、[行/列の切り替え]は使用できません。

箱ひげ図の[行/列の切り替え]

箱ひげ図作成時のデータ

箱ひげ図の元データは、テーブルでも作成できます。

しかし、ピボットテーブルをもとに作成することはできません。

以下のように教科と点数が1列に配置されたテーブルでも作成できます。

テーブルから箱ひげ図を作成

ピボットテーブルでは不可

上記のテーブルを元にピボットテーブルを作成して、[挿入]タブの[グラフ]グループにある[統計グラフの挿入]から[箱ひげ図]をクリックすると、以下のメッセージが表示されます。

この種類のグラフは、ピボットテーブル内のデータで作成することはできません。別の種類のグラフを選ぶか、ピボットテーブル外にデータをコピーしてください。

ピボットテーブルで[箱ひげ]を選択したときのメッセージウィンドウ

参考マトリックス表から作成できるので、ピボットテーブルかもできそうな気がしますが、ピボットテーブルからは作成できません。

ピボットテーブルで作成した場合は、データを部分的にコピーして別のセル位置へ貼り付けてから箱ひげ図を作成してください。

ピボットテーブルを部分的に選択してコピー&ペーストすると、ピボットテーブルではなくなります。

ピボットテーブルの部分選択

ピボットテーブルの一部のデータをコピー&ペースト

複数の内容と複数の項目から箱ひげ図を作成

以下のようなデータがあれば、クラスごとの教科別のばらつきを確認できます。

クラスごとの教科別の箱ひげ図

箱ひげ図の概要

箱ひげ図は、データのばらつきを[箱]と[ひげ]を使って可視化したものです。

箱ひげ図の[箱]と[ひげ]

箱ひげ図では、四分位数(しぶんいすう)を使用します。

四分位数とは、データを小さい順に並べて4等分したときの区切り値のことです。

最小値から25%の位置にある値が第1四分位数、50%の位置が中央値(第2四分位数)、75%の位置にあるのが第3四分位数になります。

以下は、[国語]の点数のばらつきです。

箱ひげ図の概要

平均値とは、すべてのデータを合計して、データの個数で割った値のことです。

中央値とは、データを昇順で並べたときの中央に位置する値のことです。第2四分位数と同じです。

特異ポイントについて

特異ポイント(外れ値)とは、データの中で他のデータと大きく外れた位置にある値のことです。

四分位範囲の1.5倍を超えた位置にある値が特異ポイントとして表示されます。

データによっては、特異ポイントがない箱ひげ図もあります。

特異ポイント(外れ値)は、[系列のオプション]から非表示にすることができます。

箱ひげ図の[特異ポイント]

系列のオプションでの設定

箱ひげ図の[データ系列の書式設定]を表示すると、箱ひげ図に関する設定を確認したり編集することができます。

箱ひげ図のデータ系列で右クリックして、ショートカットメニューから[データ系列の書式設定]をクリックします。

ショートカットメニューの[データ系列の書式設定]

[データ系列の書式設定]作業ウィンドウが表示されます。

[系列のオプション]をクリックします。

[データ系列の書式設定]作業ウィンドウの[系列のオプション]

要素の間隔

[要素の間隔]は、データ系列の間隔を調整します。

以下は要素の間隔を150%にしている箱ひげ図です。

[データ系列の書式設定]の[系列のオプション]-[要素の間隔]

内側のポイントを表示する

[内側のポイントを表示する]をオンにすると、箱ひげ図の上下とひげの間に位置するすべての点が表示されます。

[データ系列の書式設定]の[系列のオプション]-[内側のポイントを表示する]

特異ポイントを表示する

特異ポイントがある場合、その特異ポイントを表示します。

既定はオンです。オフにすると非表示になります。

[データ系列の書式設定]の[系列のオプション]-[特異ポイントを表示する]

平均マーカーを表示する

データ系列の平均値が[×]で表示されますが、これも[平均マーカーを表示する]をオフにして非表示にすることができます。

[データ系列の書式設定]の[系列のオプション]-[平均マーカーを表示する]

平均値を表示

データ系列が複数ある場合に、[平均値を表示]をオンにすると各データの平均値が結ばれます。

[データ系列の書式設定]の[系列のオプション]-[平均値を表示]

四分位数計算

第1四分位数と第3四分位数の計算方法の選択です。

[包括的な中央値]と[排他的な中央値]のどちらを選択します。

既定は、[排他的な中央値]が選択されています。

包括的な中央値

中央値を含めて計算する場合は、[包括的な中央値]を選択します。

[データ系列の書式設定]の[系列のオプション]-[包括的な中央値]

QUARTILE.INC(クォータイル・インクルーシブ)関数で求められます。

QUARTILE.INC 関数 - Microsoft サポート(Microsoft)

QUARTILE.INC関数を使って求めた結果

排他的な中央値

中央値を除いて計算する場合は、[排他的な中央値]を選択します。

[データ系列の書式設定]の[系列のオプション]-[排他的な中央値]

QUARTILE.EXC(クォータイル・エクスクルーシブ)関数で求められます。

QUARTILE.EXC 関数 - Microsoft サポート(Microsoft)

QUARTILE.EXC関数を使って求めた結果

箱ひげ図を作成する - Microsoft サポート(Microsoft)

参考統計グラフには、ヒストグラムというのもあります。ヒストグラムについては、以下の記事で解説しています。

ヒストグラムの作成(Excel2016以降は区分ごとの集計は不要)

ヒストグラムとは、データの分布を区間ごとに分け、それぞれの区間に含まれるデータ(個数)をグループ化して現したグラフのことです。 これまで(E ...

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