特定の範囲に該当する人数を集計したいときは、[度数分布表]を作ると便利です。
そんなときに活用できるのが、FREQUENCY(フリークエンシー)関数です。この関数を使えば、指定した区間ごとの人数を簡単に求めることができます。
従来は[配列数式]として特殊な入力方法が必要でしたが、Excel 2021以降とMicrosoft 365のExcelでは、スピル機能が使えるため、より手軽に結果を表示させることができます。
年代別の度数分布表を作成する準備
年齢が表示された表の横に、年代別の投票者数を求める表を作成します。
年齢表を見て、70代までしか必要ないと思われるかもしれませんが、一番下には最大値を超えるデータを返しますので、[それ以上]という枠を作成しておきます。
そして、各区間の上限値を少し離れた列のセルに入力しておきます。
FREQUENCY関数の[区間配列]でセル範囲を指定しますので、各区間の上限値をセルに入力します。
FREQUENCY関数を使って度数分布を求める
セル[E4]を選択して、ここへFREQUENCY関数を入力していきます。
セル[E4]に半角で[=]を入力したあと、[fr]を入力すると関数の候補一覧に[FREQUENCY]が表示されます。
範囲内でのデータの度数分布を、垂直配列で返します。返された配列要素の個数は、区間配列の個数より1つだけ多くなります。
キーボードから[Tab]キーを押すと、
以下のように[FREQUENCY(]と入力されます。
[データ配列]には、セル[B2]からセル[B21]をドラッグして指定します。
キーボードから[,](カンマ)を入力します。
今度は、[区間配列]を指定するため、セル[H4]からセル[H9]までをドラッグします。
キーボードから[)](閉じ括弧)を入力します。
数式は以下のようになります。
=FREQUENCY(B2:B21,H4:H9)
最後に、キーボードから[Enter]キーを押して完了です。
Excel 2021と365では、スピル機能により非常に簡単になっています。
FREQUENCY(フリークエンシー)関数について
FREQUENCY関数の書式は、以下のようになります。
=FREQUENCY(データ配列,区間配列)
[データ配列]では、数値が入力されているセル範囲や配列定数を指定します。
[区間配列]では、区間が入力されているセル範囲を指定します。そのため各区間の上限値を先に入力しておきます。
FREQUENCY関数の引数ダイアログボックスを表示すると、以下のようになっています。
参考FREQUENCY 関数 - Microsoft サポート(Microsoft)
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上限値の列を非表示に
上限値を入力したセルは、非表示にしてもかまいません。
H列を選択して、右クリックします。ショートカットメニューから[非表示]をクリックします。
以下のようにH列は非表示になります。
参考列の表示/非表示については、以下の記事で解説しています。
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Excel 2019までは、スピル機能は使用できませんが、[配列数式]という特殊な形で入力することで求めることができます。
ここでは、Excel 2016で解説します。
まず、人数を表示したいセルをすべて選択します。ここでは、セル[E4]からセル[E10]までですね。
セル[E4]にFREQUENCY関数を入力して数式を完成させます。
=FREQUENCY(B2:B21,H4:H9)
そして、最後にキーボードから[Ctrl]+[Sfift]+[Enter]を押して確定します。
自動的に{}(中括弧)で括られた配列数式が入力されます。
参考度数分布表が作成できると、ヒストグラムなども簡単に作成できます。Excel 2016以降は、度数分布表なしでも作成できるようになっています。
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