Excel 2021

スピル対応FREQUENCY関数で年代別や点数別の分布表を簡単作成

投稿日 2025年6月26日   更新日 

特定の範囲に該当する人数を集計したいときは、[度数分布表]を作ると便利です。

そんなときに活用できるのが、FREQUENCY(フリークエンシー)関数です。この関数を使えば、指定した区間ごとの人数を簡単に求めることができます。

従来は[配列数式]として特殊な入力方法が必要でしたが、Excel 2021以降とMicrosoft 365のExcelでは、スピル機能が使えるため、より手軽に結果を表示させることができます。

FREQUNCY(フリークエンシー)関数を使って求めた度数分布表

年代別の度数分布表を作成する準備

年齢が表示された表の横に、年代別の投票者数を求める表を作成します。

年齢表を見て、70代までしか必要ないと思われるかもしれませんが、一番下には最大値を超えるデータを返しますので、[それ以上]という枠を作成しておきます。

データ表と年代別投票者数の表

そして、各区間の上限値を少し離れた列のセルに入力しておきます。

FREQUENCY関数の[区間配列]でセル範囲を指定しますので、各区間の上限値をセルに入力します。

[区間配列]を指定する上限値を各セルに入力

FREQUENCY関数を使って度数分布を求める

セル[E4]を選択して、ここへFREQUENCY関数を入力していきます。

FREQUENCY関数を入力するセル[E4]を選択

セル[E4]に半角で[=]を入力したあと、[fr]を入力すると関数の候補一覧に[FREQUENCY]が表示されます。

範囲内でのデータの度数分布を、垂直配列で返します。返された配列要素の個数は、区間配列の個数より1つだけ多くなります。

[fr]を入力した時の関数の候補[FREQUENCY]

キーボードから[Tab]キーを押すと、

キーボード[Tab]キー

以下のように[FREQUENCY(]と入力されます。

[Tab]キーを押して[FREQUENCY(]と入力

[データ配列]には、セル[B2]からセル[B21]をドラッグして指定します。

[データ配列]を指定

キーボードから[,](カンマ)を入力します。

キーボード[,](カンマ)

カンマを入力した後の数式

今度は、[区間配列]を指定するため、セル[H4]からセル[H9]までをドラッグします。

[区間配列]を指定

キーボードから[)](閉じ括弧)を入力します。

数式は以下のようになります。

=FREQUENCY(B2:B21,H4:H9)

[)](閉じ括弧)を入力

最後に、キーボードから[Enter]キーを押して完了です。

Excel 2021と365では、スピル機能により非常に簡単になっています。

[区間配列]を指定

FREQUENCY(フリークエンシー)関数について

FREQUENCY関数の書式は、以下のようになります。

=FREQUENCY(データ配列,区間配列)

[データ配列]では、数値が入力されているセル範囲や配列定数を指定します。

[区間配列]では、区間が入力されているセル範囲を指定します。そのため各区間の上限値を先に入力しておきます。

FREQUENCY関数の引数ダイアログボックスを表示すると、以下のようになっています。

[関数の引数]ダイアログボックス

参考FREQUENCY 関数 - Microsoft サポート(Microsoft)

Excel 2016以降は、区分ごとの集計をせずに、ヒストグラムを求めることができます。この記事と同じデータを使って解説しています。

ヒストグラムの作成(Excel2016以降は区分ごとの集計は不要)

ヒストグラムとは、データの分布を区間ごとに分け、それぞれの区間に含まれるデータ(個数)をグループ化して現したグラフのことです。 これまで(E ...

Accessでは、Partition(パーティション)関数を使用して度数分布を求めることができます。

Partition関数で年齢分布を作成しモダングラフで可視化

Accessでも年齢を10歳刻みで分類し、人数をカウントして年齢分布を求めることができます。 クエリでPartition(パーティション)関 ...

上限値の列を非表示に

上限値を入力したセルは、非表示にしてもかまいません。

H列を選択して、右クリックします。ショートカットメニューから[非表示]をクリックします。

ショートカットメニューの[非表示]

以下のようにH列は非表示になります。

H列が非表示になったシート

参考列の表示/非表示については、以下の記事で解説しています。

行や列を非表示のまま貼り付けるには見えるセル(可視セル)をコピー

Excelで表を作成した後、一部の行を非表示にしたまま、それをコピーして別の場所へ貼り付けたい場合がありますね。 例えば、下のような表があっ ...

Excel 2019までのバージョンで人数分布を求めるには

Excel 2019までは、スピル機能は使用できませんが、[配列数式]という特殊な形で入力することで求めることができます。

ここでは、Excel 2016で解説します。

まず、人数を表示したいセルをすべて選択します。ここでは、セル[E4]からセル[E10]までですね。

人数を表示したいセルをすべて選択

セル[E4]にFREQUENCY関数を入力して数式を完成させます。

=FREQUENCY(B2:B21,H4:H9)

セル[E4]にFREQUENCY関数を入力

そして、最後にキーボードから[Ctrl]+[Sfift]+[Enter]を押して確定します。

キーボード[Ctrl]+[Sfift]+[Enter]

自動的に{}(中括弧)で括られた配列数式が入力されます。

配列数式の完成

参考度数分布表が作成できると、ヒストグラムなども簡単に作成できます。Excel 2016以降は、度数分布表なしでも作成できるようになっています。

ヒストグラムの作成(Excel2016以降は区分ごとの集計は不要)

ヒストグラムとは、データの分布を区間ごとに分け、それぞれの区間に含まれるデータ(個数)をグループ化して現したグラフのことです。 これまで(E ...

スピル機能を使った数式は、以下の記事でも解説しています。

掛け算九九表を作成する時もスピル機能が使用できます。

掛け算九九早見表の簡単作成(複合参照と配列数式とスピル)

Excelの参照形式を理解しておくと、集計表などを作成するときに労力をかけずに作成できるようになります。 参照形式には、絶対参照、相対参照、 ...

FILTER関数は、Microsoft 365のExcelとExcel 2021以降で使用できます。もちろん、数式がスピルされます。

条件に一致するデータを抽出できるFILTER(フィルター)関数

FILTER関数を使用して条件に合うデータを抽出することができます。 数式は先頭のセルに入力すると、スピル機能によって自動で数式が入力されま ...

XLOOKUP関数や、SORT関数、UNIQUE関数もスピル対応です。

データ検索ならXLOOKUP関数で縦横に検索(IFERROR関数は不要)

Excel 2021以降とMicrosoft 365 のExcelでは、[XLOOKUP(エックスルックアップ)関数]が使用できます。 これ ...

SORT関数とSORTBY関数を使い分けて別表に並べ替えた結果を表示する

SORT(ソート)関数とSORTBY(ソートバイ)関数を使用すると、表内のキーを基準に別表に並べ替えた結果を表示できます。 データが変更され ...

UNIQUE関数で重複しない値をリスト化して表内の該当セルを塗りつぶす

Excel 2021とMicrosoft 365のExcelでは、UNIQUE(ユニーク)関数を使用することができます。 UNIQUE関数を ...

行列を入れ替えるTRANSPOSE(トランスポーズ)関数もExcel 2021以降とMicrosoft 365のExcelでは、スピル機能が使えます。

行列を入れ替えて貼り付けるには(関数TRANSPOSEなら連動もできる)

表の行と列を入れ替えたいと思ったことはありませんか? Excelでは、簡単に入れ替えることができます。 下のような表があります。1月から12 ...



  • この記事を書いた人
  • 最新記事

-Excel 2021 

Copyright © 2001-2025 初心者のためのOffice講座 All Rights Reserved.