Excelの[条件を選択してジャンプ]をクリックして表示される[選択オプション]の中に、[アクティブ列との相違]と[アクティブ行との相違]という項目があります。
これを使って、選択範囲内で指定したセルの値とは異なるセルをまとめて選択することができます。
また、2列を選択している場合、[アクティブ行との相違]で横並びのセルを比較して異なるセルを見つけることもできます。
この記事の目次
1列でアクティブセルと異なるセルのみを選択
以下のようなサンプル表があります。
B列の[都道府県]の中で[東京都]以外のセルをすべて選択してみます。
範囲選択
まず、B列のデータを範囲選択します。ここでは、セル[B2]からセル[B16]ですね。
セルを指定
そして、セル[B3]の[東京都]のセルをアクティブにします。
範囲選択したまま[Enter]キーを1回押すと、セル[B3]が選択されます。
[Tab]キーを押しても同じです。
上記の状態のまま、以下の操作を行います。
[検索と選択]の[条件を選択してジャンプ]
[ホーム]タブの[編集]グループの[検索と選択]をクリックします。
メニューから[条件を選択してジャンプ]をクリックします。
[選択オプション]から[アクティブ列との相違]を選択
[選択オプション]が表示されます。
[アクティブ列との相違]を選択して、[OK]ボタンをクリックします。
結果、以下のようにアクティブセル[東京都]以外のセルがすべて選択されます。
セルを選択した後は、フォントやセルの塗りつぶしを設定できます。
ここでは、塗りつぶしを薄い緑に設定してみました。
参考[アクティブ列との相違]のショートカットキーは、[Ctrl]+[Shift]+[\]です。
[選択オプション]ダイアログボックスを表示するより早いですね。
数式のエラーチェックに活用
上記と同じ方法で、数式のエラーチェックを行うこともできます。
数式が入力された一列を範囲選択して、[選択オプション]の[アクティブ列との相違]を選択して[OK]ボタンをクリックします。
または、ショートカットキー[Ctrl]+[Shift]+[\]を使用します。
アクティブセルに入力された数式とは異なるセルが選択されます。
数式セルが少ない場合は、エラーチェックオプションの機能ですぐに見つけられますが、行数が多い場合はスクロールして見つけるのも大変です。
この機能であれば、数式が異なるセルが選択されるので、ステータスバーでエラーセルの数をすぐに確認できます。
複数列を選択している場合の[アクティブ列との相違]
[アクティブ列との相違]を以下のように複数列を選択して行うと、それぞれの列でアクティブな行の値と異なるセルが選択されます。
アクティブセルのある行がアクティブ行となります。
例えば、以下のような表でセル[A1]からセル[C15]を選択します。
アクティブセルは、セル[A1]ですね。
上記と同じ操作を行うと、それぞれの列でアクティブ行のセルの値と異なるセルが選択されます。
A列では[愛媛県]以外のセル、B列では[東京都]以外のセル、C列では[神奈川県]以外のセルが選択されます。
今度は、範囲選択後[Enter]キーを押して、セル[A2]をアクティブにして、同じ操作をしてみます。
A列では[東京都]以外のセル、B列では[高知県]以外のセル、C列では[愛媛県]以外のセルが選択されます。
1行でアクティブセルと異なるセルのみを選択
1つの行を選択して、[アクティブ行との相違]を選択すると、範囲選択した1つの行内でアクティブセルと異なるセルが選択されます。
[アクティブ行との相違]は、範囲選択内のアクティブなセルの値以外のセルを選択します。
以下では、セル[A2]からセル[C2] までを選択して、セル[A2]の[東京都]がアクティブセルになっています。
[ホーム]タブの[編集]グループの[検索と選択]をクリックして、メニューから[条件を選択してジャンプ]をクリックします。
[選択オプション]内の[アクティブ行との相違]を選択すると[東京都]以外のセルが選択されます。
複数行を選択している場合の[アクティブ行との相違]
複数行、複数列を選択して、[アクティブ行との相違]を実行すると、それぞれの行でアクティブセルのある列のセルの値と異なるセルが選択されます。
例えば、以下のような表でセル[A1]からセル[C15]を選択します。
アクティブセルは、セル[A1]ですね。
以下のようにA列のセルの値と異なるセルが選択されます。
1行目と11行目では[愛媛県]以外のセル、2行目と7行目では[東京都]以外のセル、3行目では[神奈川県]以外のセルが選択されます。
2列を選択して、横並びのセルを比較して異なるセルを見つけることもできます。
大文字と小文字の区別はできない
[アクティブ行との相違]や[アクティブ列との相違]は、行方向や列方向に比較できて便利ですが、大文字と小文字の区別はできません。
以下は、セル[A1]からセル[B5]を範囲選択して、セル[A1]をアクティブにして[アクティブ行との相違]を実行した結果です。
2行目の[DEF]と[def]のようにアルファベットの大文字と小文字は区別されていません。
5行目の[アイウ]と[アイウ]のように全角と半角は区別されます。
参考アルファベットの大文字と小文字も区別して比較したい場合は、EXACT関数を使うといいです。以下の記事で解説しています。
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