ヒストグラムとは、データの分布を区間ごとに分け、それぞれの区間に含まれるデータ(個数)をグループ化して現したグラフのことです。
これまで(Excel2013まで)は、データから度数分布表を作成して、それを基に縦棒グラフを作成して書式設定で調整する方法が一般的でしたが、Excel2016とExcel2019では[ヒストグラム]というグラフの種類が追加され、区分ごとの集計をする必要がなく、データから直接ヒストグラムを作成できます。
ヒストグラムを使って、項目ごとの集計グラフも簡単に作成できます。
ここでは、Excel2019で解説します。
ヒストグラムの元データ
ここでは、簡単なサンプルデータをもとに作成していきます。
以下は、20人の方が投票された時の年齢一覧です。
セル[C3]からセル[C22]に年齢が入力されています。
年代別の投票者数は求めません。
ヒストグラムの作成
サンプルデータの年齢列のデータ(セル[C3]からセル[C22])を範囲選択します。
タイトル(セル[C3])は選択しても、しなくても構いません。
[挿入]タブの[グラフ]グループにある[統計グラフの挿入]ボタンをクリックします。
統計グラフの挿入
データの統計分析の表示に、この種類のグラフを使います。
矢印をクリックすると、別の種類の統計グラフが表示されます。アイコンの上にポインターを置くと、ドキュメントにプレビューが表示されます。
[ヒストグラム]をクリックします。
ヒストグラム
この種類のグラフの使用目的:
・データの分布を区間にグループ化して表示します。
以下のようなグラフが作成されます。
ヒストグラムのビン(区間)を修正
ヒストグラムの区間を修正します。
項目軸(横軸)でダブルクリックして、[軸の書式設定]作業ウィンドウを表示します。
参考[軸のオプション]に[ビン]とありますが、これは[区間]のことです。
[軸のオプション]の[ビン]は、既定では[自動]が選択されていますが、これを[ビンの幅]にします。
そして、テキストボックスに[10.0]と入力します。
ビンのオーバーフロー
そして、[ビンのオーバーフロー]のチェックボックスをオンにして、テキストボックスには、ヒストグラムの最後の区間の下限値を入力します。
ここでは、[69.0]と入力します。
ビンのアンダーフロー
[ビンのアンダーフロー]のチェックボックスをオンにして、テキストボックスには、ヒストグラムの最初の区間の上限値を入力します。
ここでは、[29.0]と入力します。
ヒストグラムの項目軸(横軸)が変化したことを確認します。
項目軸の見方は、最初の範囲は[29以下]、次からは[29より大きくて39以下]、[39より大きくて49以下]、[59より大きくて69以下]となり、最後は[69より大きい]となります。
分類項目がある表の場合
もし、データ元が以下のように、すでに分類項目があって集計してであれば、以下のように設定できます。
データ範囲を選択して、ヒストグラムを作成します。
項目軸をダブルクリックして、[軸の書式設定]作業ウィンドウを表示します。
そして、[軸の書式設定]の[軸のオプション]で[分類項目別]を選択します。
参考セルの数値の前に[~]を表示したい場合は、[セルの書式設定]の[ユーザー定義]で以下のように設定します。
ヒストグラムのデザイン修正
[グラフタイトル]を入力したり、[デザイン]タブの[グラフスタイル]でスタイルは簡単にを変更できます。
データを表示したい場合は、[クイックレイアウト]などを使用すると早いと思います。
他のグラフと同じように、グラフの右上に表示される[グラフ要素]などでも設定できます。
注意従来のグラフであれば、グラフタイトルはセル参照で入力できていました。しかし、Office2016以降で登場した新グラフではグラフタイトルのセル参照はできないようです。
また、Excelで作成した新グラフをWordやPowerPointに貼り付けるとリンク貼り付けになり、埋め込み貼り付けはできません。
新グラフは[リンク貼り付け]になり埋め込み貼り付けはできない
新グラフでデータ範囲を修正すると、ラベルなどがクリアされてしまいます。
新グラフでデータ範囲を修正するとデータ要素の一部がクリアされる
ヒストグラムで項目ごとの集計グラフを簡単作成
ヒストグラムは、項目のグループごとに集計してくれるので、以下のような表であれば、簡単に集計グラフを作成できます。
[商品ID]ごとの数量の合計を求めようと思います。
[商品ID]と[数量]のデータを範囲選択して、[挿入]タブの[グラフ]グループの[ヒストグラム]をクリックします。
項目軸(横軸)をダブルクリックして、[軸の書式設定]作業ウィンドウを表示します。
[軸のオプション]から[分類項目別]を選択します。
[商品ID]ごとの集計グラフを作成できます。
データラベルを表示したいのであれば、[デザイン]タブの[クイックレイアウト]で[レイアウト2]などを選択すると表示できます。
集計値が合っているかどうかは、ピボットテーブルを作成してみると分かりますね。
参考ヒストグラムは、[分析ツール]の中にもあります。
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データ分析ツールアドインをリボンに表示するには
Excel2016で[データ]タブに[データ分析]ボタンを表示して、[データ分析]ウィンドウを呼び出すための設定方法です。 この記事の目次1 ...
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