Excelのフォームコントロールの中には、さまざまな部品が用意されています。
スピンボタンを使用すると、クリックで数値を増減できます。
数値の幅が広い場合は、直接入力がいいかもしれませんが、数値の幅が狭い場合は、スピンボタンで操作するのも効率的です。
また、変化の増分は自由に設定できますので、効率よい方法を考えて作成できます。
ただ、スピンボタンで設定したリンクセルには、直接入力すると範囲外の数値も入力できてしまいますので、入力規則でデータの範囲を制限しておいたほうがいいかもしれません。
フォームコントロールの[スピンボタン]を挿入
以下のように作成したワークシートがあります。
数値を入力するセルは、セル[C3]とセル[C5]なので、その横の位置にスピンボタンを配置したいと思います。
[開発]タブの[コントロール]グループにある[挿入]をクリックします。
[開発]タブが表示されていない場合は、[オプション]ダイアログボックスの[リボンのユーザー設定]で設定します。以下の記事を参照してください。
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[開発]タブの表示とマクロのセキュリティ設定
Office2010から[開発]タブを表示する方法が変わりました。 Office2010以降は[オプション]ダイアログボックスの[リボンのユ ...
[フォームコントロール]の[スピンボタン(フォームコントロール)]をクリックします。
[ActiveXコントロール]の中にも[スピンボタン]がありますが、こちらはVBAを前提とした少し高度なコントロールです。ここでは、[フォームコントロール]のほうで解説します。フォームコントロールであれば、VBAの知識は必要ありません。
ドラッグして設置します。
スピンボタンのようなフォームコントロールは、[Ctrl]キーを押したままクリックすると選択できます。
位置やサイズは、後で調整できます。
コントロールの書式設定
スピンボタンの設定は、[コントロールの書式設定]ダイアログボックスから行います。
挿入したスピンボタンを右クリックして、ショートカットメニューから[コントロールの書式設定]をクリックします。
[コントロールの書式設定]ダイアログボックスが表示されます。
[コントロール]タブで以下のように設定します。目的に合った数値を入力してください。0から30000までの値を入力できます。
- 最小値:0
- 最大値:10
- 変化の増分:1
リンクするセルには、数値を表示するセルを入力します。ここでは、セル[C3]ですね。
[リンクするセル]の[ダイアログボックス拡大/縮小]ボタンをクリックして、目的のセルをクリックすると入力できます。
[OK] ボタンをクリックします。
[コントロールの書式設定]が[オブジェクトの書式設定]に変わりますが問題ありません。[ダイアログボックス拡大/縮小]ボタンを使用すると名前が変わるようです。
[コントロールの書式設定]ダイアログボックスの[コントロール]タブにある[3-D表示]の設定は、オンだと左のようになり、オフにすると右のようになります。
既定はオンです。
スピンボタン以外のセルをクリックすると、使用できるようになります。
スピンボタンをクリックして動作するか、確認します。
スピンボタンをもう1個設置したいので、コピーして貼り付けします。
[Ctrl]キーを押したままドラッグしてもOKです。
追加したスピンボタンの[コントロールの書式設定]ダイアログボックスの[コントロール]タブを開いて、必要な個所を修正します。
ここでは、[最大値]と[リンクするセル]を修正しています。
以下のように設定できました。
コントロールの位置を揃えたい場合は、2個のコントロールを選択して、[描画ツール]-[図形の書式]タブの[配置]グループにある[配置]をクリックして調整します。
入力制限を設定
スピンボタンで最小値と最大値を設定していても、数値を表示しているセルは、直接入力で範囲外の数値が入力できてしまいます。
入力規則を使って、数値を制限しておくといいと思います。
セル[C3]を選択して、[データ]タブの[データツール]グループにある[入力規則]をクリックします。
[データの入力規則]ダイアログボックスが表示されますので、[設定]タブで以下のように設定します。
- 入力値の種類:整数
- データ:次の値の間
- 最小値:0
- 最大値:10
同じようにセル[C5]を選択して、データの入力規則で以下のように設定します。
- 入力値の種類:整数
- データ:次の値の間
- 最小値:0
- 最大値:5
入力制限を付けているので、設定範囲外の数値を直接入力するとメッセージが表示されるようになります。
参考メッセージの内容は、変更することができます。
ただ、入力規則の設定も完璧なものではありません。他のセルからコピーして貼り付けた値はメッセージも表示されずに入力できてしまいます。それでも、入力制限をかけていないよりはいいと思います。
以下の記事で解説しています。
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シートの保護
複数人に入力を依頼するような場合は、[シートの保護]をかけておくのもおすすめです。
数値を表示するセル(ここではセル[C3]とセル[C5])を選択して、[セルの書式設定]ダイアログボックスを表示します。
[Ctrl]+[1]で表示できます。(テンキーの1は不可)
そして、[セルの書式設定]ダイアログボックスの[保護]タブにある[ロック]のチェックボックスをオフにして[OK]ボタンをクリックします。
[校閲]タブの[保護]グループにある[シートの保護]をクリックします。
シートの保護
編集権限を制限して、他のユーザーが不用意にデータを変更することを防ぎます。
たとえば、ロックされたセルの編集や書式の変更を防ぐことができます。
[シートの保護]ダイアログボックスが表示されます。
パスワードが必要であれば設定して、[OK] ボタンをクリックします。
[シートの保護]については、以下の記事で詳細に解説しています。
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スピンボタンのロック
スピンボタンの[ロック]は、[コントロールの書式設定]ダイアログボックスの[保護]タブにあります。
シートに保護をかける場合、スピンボタンの[ロック]はオンのままでOKです。
オンの状態でも、クリックによる操作はできます。
オフにしてもクリック操作はできますが、スピンボタンを移動したり、サイズ変更などもできてしまいますので既定のオンのままでOKです。
参考Excelのコントロールに関する記事です。
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