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表をテーブルに変換してデータベース管理などの作業効率をアップ

投稿日:2017年1月9日 更新日:

Excelのテーブルはとても便利なものです。

通常の表をテーブルに変換することによって、データベースとしての機能が自動的に設定され、管理や分析にも使用できるようになります。

見た目は通常の表と変わりないようにみえますが、実際の内容については大きな違いがあります。大げさではなく、テーブルのほうが圧倒的に便利です。

Excel のテーブルの概要 - Excel(Microsoft)

Excel2016での解説ですが、旧バージョンでも同様の操作ができますので、ぜひお試しください。

テーブルを使用すると、スライサーを使った絞り込みを行うこともできます。

[挿入]タブの[テーブル]

参考テーブルは、Excel2007以降で使用できる機能です。

サンプルの確認

下のような住所一覧があります。

サンプルの住所一覧

テーブルに変換

これをテーブルに変換します。表内のセルをアクティブにします。

範囲選択する必要はありません。

[挿入]タブの[テーブル]から

[挿入]タブの[テーブル]をクリックします。

ポップヒントには、以下のように記されています。

関連データの整理と分析を行うテーブルを作成します。

テーブルに作成しておくと、シート内のデータの並べ替え、フィルター、書式設定を簡単に行えるようになります。

また、Excel2013以降であれば、クイック分析からテーブルを作成することもできます。

クイック分析オプションで簡単データ分析(自動計算もできる)

クイック分析は、Excel2013からの機能です。 セルを範囲選択すると、選択範囲の右下に[クイック分析]のボタンが表示されます。 このボタ ...

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テーブルの作成でも解説しています。

[挿入]タブの[テーブル]

ショートカットキー

ショートカットキーで作成することもできます。

[テーブルの作成]ダイアログボックスを表示するショートカットキーは[Ctrl]+[T]です。

キーボード[Ctrl]+[T]

[テーブルの作成]ウィンドウが表示され、データ範囲が自動的に選択されています。

テーブルに変換するデータ範囲を確認して、[先頭行をテーブルの見出しとして使用する]のチェックボックスはオンにしたまま、[OK]ボタンをクリックします。

[テーブルの作成]ダイアログボックス

以下のようになります。

テーブルの完成

[ホーム]タブの[テーブルとして書式設定]

[ホーム]タブからもテーブルを作成できます。

[ホーム]タブの[スタイル]グループにある[テーブルとして書式設定]をクリックすると、スタイルの一覧が表示されます。任意のスタイルを選択すると、[テーブルの作成]ダイアログボックスが表示されます。

こちらは、スタイルから先に設定することになります。

[ホーム]タブの[スタイル]グループにある[テーブルとして書式設定]

テーブルの名前

テーブルに変換されると、リボンも[テーブルツール]に切り替わります。また、テーブル名が自動的に付けられます。

[デザイン]タブの[プロパティ]グループの[テーブル名]で確認できます。

リボンとテーブル名

テーブルに変換すると、テーブル名が自動的に付けられますが、このテーブル名は変更することができます。

テーブルの名前の確認と変更方法

また、Power Queryで指定フォルダー内のすべてのテーブルの結合を行う場合はテーブル名が重要になります。

Power Queryでフォルダー内のすべてのファイルのデータを結合

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参考もし、テーブルにうまく変換できない場合は、以下の記事を参考にしてください。既存の表をテーブルに変換しようとしても、うまく行かない場合もあります。テーブルに変換するデータについての注意点を以下の記事にまとめましたので見直してみてください。

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表が一行おきの色違いの縞模様に

テーブルになると、カラフルな表に切り替わります。

このスタイルは、[テーブルのスタイル]から変更することができます。

テーブルのスタイル

テーブルスタイルの右下のボタンをクリックして、豊富なスタイルからワンクリックで変更することができます。

スタイルのクリア

もし、テーブルの書式を設定したくなければ、スタイル一覧の中の左上にある[なし]か、一番下にある[クリア]をクリックします。

スタイルの種類と[クリア]

[テーブルのスタイルのオプション]グループにある[縞模様]のチェックボックスをオフにすると、テーブルの縞模様は解除されます。また、スタイルも縞模様なしのものが表示されます。

[テーブルのスタイルのオプション]グループにある[縞模様]のチェックボックス

自動的にフィルターが設定

並べ替えやデータの抽出をすぐに行うことができます。

また、詳細なフィルターを使用してデータを抽出することもできます。

フィルターの抽出条件はデータの種類で変わるを参照してください。

フィルターモードの詳細な抽出条件はデータの種類で異なる

Excelのフィルター機能を使用すると、条件に合うデータを簡単に抽出できます。 表をフィルターモードにするには、表内のセルをアクティブにして ...

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テーブルの列見出しのフィルターボタン

自動的に先頭行が固定

先頭行が固定されるので、スクロールしても常に列の項目が表示されます。

固定された先頭行

[Shift]キーなしで行をドラッグで移動

行全体を移動させたい時は、セル範囲を選択して外枠の線をドラッグするだけです。複数行を選択してもできます。

通常の表であれば[Shift]キーを使ってドラッグしなければなりませんが、その必要はありません。

ドラッグで選択行を移動

列の場合も同様の操作ができます。[Shift]キーなしで挿入モードになります。

ただし、テーブル内の行や列を選択した時のみです。行全体や列全体ではありません。

テーブルが大きくてテーブル範囲内の行や列が選択しにくい場合は、セルを選択して、右クリックのショートカットメニューの[選択]からクリックすると早いです。

  • テーブルの列全体
  • テーブルの行

ショートカットメニューの[選択]-[テーブルの列全体]と[テーブルの行を選択]

参考通常の表で[Shift]キーを使って行や列を入れ替える方法については、以下の記事で解説しています。

Shiftキーで範囲選択した行を入れ替え

[Shift]キーを押したままドラッグして行列やセルを移動(入れ替え)

[Shift]キーを使って枠線をドラッグすると、列の入れ替えやセルの入れ替えを簡単に行うことができます。 [Shift]キーを使用しないと置 ...

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行や列を挿入した時に自動拡張(書式も)

テーブル内に行や列を挿入すると、自動的にテーブルの範囲が拡張されて、スタイルも設定されます。

反対にテーブル内の行や列を削除しても、自動的にテーブルの範囲が縮小されて、スタイルも再設定されます。

行や列を挿入、または削除してもテーブルの書式が崩れることがありません。

テーブルの右に新しい列を追加したり、最終行に新しい行を追加しても自動的に書式が引き継がれます。

以下の画像は、セル[G1]に[備考]と入力して、[Enter]キーを押して確定したところです。

それだけで、テーブルが拡張され、書式も設定されます。

テーブルに新しい列を追加

行の場合もテーブルの最後の行の下のセルにデータを追加するだけで、テーブルは拡張されます。

テーブルの最後のセルの下にデータを追加

セルの右下に現れる[オートコレクトのオプション]は、以下のようになっています。

ここで、テーブルを拡張しないこともできます。

  • テーブルの自動拡張を元に戻す
  • 自動的にテーブルを拡張しない
  • オートコレクト オプションの設定

テーブルのオートコレクトのオプション

参考もし、上記のようにテーブルが自動的に拡張されない場合は、[Excelのオプション]を表示して設定を確認してください。

以下の記事で解説しています。

テーブル範囲の自動拡張の設定

住所録をテーブルで作成する方法は、以下の記事で解説しています。

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テーブルでは集計が簡単

[デザイン]タブの[テーブルスタイルのオプション]グループにある[集計行]のチェックボックスをオンにすると、自動的に集計行が追加され、集計行のセルには[SUBTOTAL関数]が設定されます。

テーブルの集計行に入力されたSUBTOTAL関数

プルダウンメニューから様々な集計値を求めることができます。※テーブルのサンプルは変更しています。

テーブルの集計行の追加

集計行には、以下の関数が選択肢とあります。

  • 平均
  • 個数
  • 数値の個数
  • 最大
  • 最小
  • 合計
  • 標本標準偏差
  • 標本分散

[その他の関数]をクリックすると、[数式の挿入]ダイアログボックスが表示されます。

参考SUBTOTAL関数は、オートフィルターを使用した時に、表示されているセルのみを集計することができます。

SUBTOTAL 関数では、集計方法の値にかかわらず、フィルターの結果に含まれていない行はすべて無視されます。

SUBTOTAL 関数 - Office サポートより

色付きセルの合計もテーブルを使用すると簡単に求めることができます。

色付きセルの合計・個数などの集計(テーブルを使用しない方法も解説)

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集計列の自動作成

I列に[販売単価]と[数量]を掛けた[金額]を挿入します。

セル[I1]に[金額]入力して、[Enter]キーで確定します。テーブルが同じ書式で[I]列まで拡張されます。

テーブルに列を追加

セル[I2]に[=]を入力して、セル[G2]をクリックします。[@販売単価]と表示されます。テーブルでは、セル参照が[構造化参照]と呼ばれるものになります。

テーブルで数式を入力

数式は、[=[@販売単価]*[@数量]]となります。

テーブルの数式[構造化参照]

テーブルでは、数式をコピーする必要はありません。[Enter]キーを押すだけで、列全体に数式が入力されます。

テーブルでは[Enter]キーを押して数式をコピー

列全体に同じ数式を入力したくない場合

列全体に同じ数式を入力したくない場合は、[オートコレクトのオプション]で[集計列の自動作成を停止]を選択します。

[オートコレクトのオプション]で[集計列の自動作成を停止]を選択

以下のようになります。

[オートコレクトのオプション]で[集計列の自動作成を停止]を実行

一度[集計列の自動作成を停止]を選択すると、[オートコレクトのオプション]には[この列のすべてのセルをこの数式で上書き]しか表示されなくなります。

[この列のすべてのセルをこの数式で上書き]をクリックすると、列全体に数式が入力されます

[オートコレクトのオプション]の[この列のすべてのセルをこの数式で上書き]

[この列のすべてのセルをこの数式で上書き]をクリックすると、列全体に数式が入力されますが、

既定のオートコレクトのオプションの状態に戻すには、[Excelのオプション]ダイアログボックスの[文章校正]タブの[オートコレクション]をクリックして、[オートコレクト]ダイアログボックスを表示します。

そして、[入力オートフォーマット]タブの[テーブルに数式をコピーして集計列を作成]のチェックボックスをオンにします。

[入力オートフォーマット]タブの[テーブルに数式をコピーして集計列を作成]

テーブルでもスライサーの使用が可能

Excel2013以降ではスライサーを利用して、フィルタリングの状態を見やすく分かりやすく表示することができます。

[デザイン]タブにある[スライサーの挿入]をクリックします。

ポップヒントには、以下のように記されています。

スライサーを使って、データのフィルター処理を視覚的に実行します。

スライサーを使うと、テーブルやピボットテーブル、ピボットグラフ、キューブ関数のフィルター処理が速くなり、簡単になります。

テーブルのスライサーの挿入

スライサーを挿入から、[会社名]を選択して、[OK]ボタンをクリックします。

スライサーの挿入から選択

以下のような操作ができるようになります。

スライサーの操作

Excel2016では、スライサーに[複数選択]ボタンが追加されました。

テーブルのスライサーに[複数選択]のボタンが追加

テーブルやピボットテーブルでは、スライサーを使用してデータのフィルターを視覚的に実行することができます。 Excel2010のピボットテーブ ...

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関連Excel2013の以下の記事でもスライサーについて解説しています。スライサーは、列数を指定することで横並びにしたりすることもできます。

テーブルでもスライサーの挿入ができる(フィルター処理を視覚的に)

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複数テーブルでリレーションシップの作成

テーブルが2個以上あって、共通フィールドがあればリレーションシップの設定ができます。Excel2013からの機能です。

[リレーションシップ]のコマンドは、[データ]タブの[データツール]グループにあります。

[データ]タブの[リレーションシップ]

Accessのようにリレーションシップの状態をダイアグラムビューで表示することもできます。

ダイアグラムビューのリレーション

リレーションシップの設定をすると、ピボットテーブルで1つのレポートを作成することができます。

以下の記事で解説しています。

テーブル間でリレーションシップを設定してピボットテーブルを作成

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